ゲロとクソにまみれた掃き溜め

君を忘れたくないから、君を赦しはしないよ

6/12@池袋Adm 循環

 ほれーやっぱりコケたぞ(笑)
 と言いつつも、別に目立ったミスがあったわけではない。荒は多かったけど。
 自分では前回の新潟のライブで最高点を更新したな、という実感があって、あれで上限が上がったから今までの100点を80点に感じた。まぁ、ここは欲張りになってもいいとこでしょ。
 そういうときにやっぱり乖離。と川サキのプレイが一番のプレッシャー(笑)でやってやろうって気になるし、見知った顔も知らない顔も目に焼きついていく。
 ステージ上から出来るのは、あくまでノックすることだけだからな。多少強めだけど。
 それ以外は、やっぱりしんどくなったら息抜きできる環境でもありたい。
 凄く好循環の中にいるな、と思う。守られてると言ったほうがいいかな。直接でも間接でも、多くのものに守られてる。
 だからこそ俺も、Ghettoも守るべきものをしっかり守っていくことが手向けというか、誠実というか。何を守ってるのかよく分からんですけど。多分これでもなんかしらは守ってるような、気が、する、の……か?
 Ghettoが何を生んでいくかもそうだし、歩いたあとの道もそうだし、何より俺ら自身のメンタルやコンディションも守らないといけない。保身とかではなくて、メンテナンスは大事だ。
 ライブ中はそんなこと微塵も考えないけどな! 考えないでいるために、とも言える。
 衰えは特に感じないが、確実に酔いやすくなってる上に、酔い方がかなりアッパレしてきた。もっと酷いのをいっぱい見てるから、多分この程度なら大丈夫だろうというレベルで楽しんでるつもり……。

 俺には一般的なルールとか作法とか、多くの人が愉快に感じたり不快に感じるポイントみたいなものがよく分からないから(理解しずらいというより、そもそも回路が無い)、せめて扉を開けてきた人のことをよく覚えていよう、と思う。
 どう楽しむのも本当に自由だと思う。

 最近某バンドが軍歌みたいな歌詞の曲を発表して物議を醸してるらしいが、さっき聞いたら内容以前に「軍歌というか、軍歌っぽい替え歌だな……」という印象しかない。もっと闘争本能を刺激するような、凄まじい力を持った洗脳メロディかと思った。
 こんなんめっちゃあるじゃん。これでよく揉めてみたな。あそこの排水溝が臭い、ぐらいの出来事じゃん。そんなの何個あると思ってんねん。平沢進のForcesの方が軍歌だしパンチあるよ。あれで揉めろ。Signもいいね。
 多分あのバンドのボーカルが、っていうのが問題の本質なんだろうけど、それが一番くだらないと思う。
 これでイチャモンつけるやつって一生「あの軍歌野郎」っていきり立ってるんだろうな。多分ゲスの極みのボーカルにも「あの浮気野郎」って未だに怒ってる。することねーなら消しカスで練り消しでも作ってればいいのに。楽しいし。
 まぁ、それも下手したら楽しみ方の一つなのかもしれん。どーでもいい。ただ行き止まりだな。

 エネルギーの循環しないものには執着しないことにした。見捨てたり忘れたりはしないが、他に出来ることはもっと沢山あると、やっぱり思う。
 ギブ&テイクなんて簡単な話じゃないが、還元する気が無いものに構ってる時間は無いんだ。そんな余裕があったら、色んな形で力をくれる人たちに少しでも還元したい。
 使い道のない淀んだ泥水でしかなかった自分に、輪郭と定義をくれた音楽やライブハウスやそこにいる人たち自体に、少しでも還元したい。
 だって、気分がいいんだ。気分さえよければいい。この際体調なんか悪くたっていい。金もあんまり要らん。
 池袋Adm、いっつも気分がいい。なんでだろう。バシッとくる対バンあんまりいないけど(勿論どこでもあんまりいない)、そういうことじゃない。
 3割ぐらいはあの、酒売ってる自販機かもしれん。なんでもいい、昨日も楽しかった。ラブ。

6/5 新潟GOLDEN PIGS BLACK

 五月のライブが全部ワンダフルな日だったのも、ここに集束したかと思うと納得しきり。

 この日は遠征として個人的に満点というか……行き当たりバッタリ(特にこれが良かった)なのに最強のプランニングだった。
 夜のドライブと夜のサービスエリア、そこで絶品ってほどじゃないがやけにウマいご飯(ソーキそば食べた)、早朝のネカフェ、昼のラーメンに海に行きつけだった喫茶店、そして夜は馴染みとライブ。夜はウマい酒に飯に話に友に。
 昨日の夜まで結構その反動でハートが固まってたわ。4人で行けて本当に良かった。
 臥狂VS川サキもマイメンたちにガッツリ突き刺さったようで何より。間に合わなかった人はしようがない。バカヤロウ! バカ! チンポコ! 平日の辛いとこだね。プンスコ。
 来てくれた奴らに言ったか言ってないかマチマチだと思うが、企画や音源、グッズや諸々に題字書いてほしかったら臥狂さん普通に依頼できるので、直接が気兼ねするんだったら俺経由でも話聞きますわ。
 あのライブや作品だから恐れ多い、みたいに萎縮する人が多いだろうと勝手に思ってるんだけど、使えるものは何でも使ったらいい。デメリットは一切無いんだし。
 ま、俺もその辺多少大胆になったのは割と最近だけど。

 対バンだと俺は松尾くんがグッと来た。
 入りがギリギリだったせいか最初スイッチが入ってないというか、オドオドしてた感じだったけど後半から尻上がりに良くなってた。
 あと普通に歌もギターもリズム感も上手かったし。あとは曲に反して照れまくってたのが勿体無いから、そこだけ向き合えると良い。(果たして人のこと言えるんでしょーか)
 最近思うんだけど、普通に上手いって凄く大事だなァ!
 クセのある部分が肝なのは間違いないんだが、雑味を削ぎ落とした部分が無いと引き立たない。というか、味がよく分からないことになる。

 あ、今思ったけど4~5組の対バンが多かったのも大きいかも。割とこの組数ならどこでも勝手が分かってきたというか。
 「こーすればいいんだろ?」ってヤマ張ると外すから初心は忘れないんだけど、自分が見る側ならどの辺から見てるバンドに心開くかな、というのがどの順番でも想像できる。
 ライブのときは、人はどこまでいっても無防備なものだといつも痛感するよ。
 いいなーって思ったら、どんなに欠点があっても「逆にありかも」ぐらいに思うし、気に入らんなーと思ったらそれまでの全てが台無しになる。抱く感想は違っても、そこはどうも、全員同じらしい。
 ノッてるとか上り調子とか、頭では分かってても「次で早速コケるかもしれんし」と思うのはひねくれてるか?笑
 なんというか、期待はしてないんだよな、全く。自分にも他人にも未来にも。でも諦めてもいないし、信じてないわけでもない。むしろその逆。
 俺もステージの上で、ホールの中で、飲み屋のテーブルで無防備でいたいな。

 あと、これを見てる友達へ。気付いたヤツもいるが、「ただいま」ではなかったわけ。
 友達だと思ってるからよ、先に行ってるぞ。
 それぐらいは期待してもいいだろ?
 顔が見れただけでも飛ぶほど嬉しかった。またな。

5/22 to 5/30

 最近月にライブ3~4本っていいよね、などと言っておきながらこの8日間に4本。どうしてこうなった。
 22日は久しぶりの池袋Adm。きっかけはブッキングのしのぶちゃんがGhettoと純情マゼランぶつけてみます、とのことで。黒猫財閥が決まったのも実にユニーク。
 あーこのジャンルごちゃ混ぜでエネルギッシュな感じ、ライブハウスだなーって感じで俺はテンアゲ。
 自分らの前の弾き語りのオジサンも渋い歌い上げ方で最後まで見たかったくらい。ホント意味不明な組み合わせだったけどそれが良かったなってマジで思う。
 せっかく組んでくれたので無碍にするのも不義理だなと思って、終わった後マゼランの多分リーダーっぽい女装野郎に話しかけたら、まぁソリが合わない。これはしょうがない。俺も大分アテられてきたかな。
 ただUFOクラブとやら自体が、こういうノリだったら俺はちょっとついていけないかもしれん。他のやつに任せるよ、そういうのは。
 そういえばマゼランのスタッフの子に、うちらのお客さん(多分違うのも乗っかってたけど)凄いですね、大盛り上がりで頼もしくて、みたいなことを言われた。あー、えっと……? そうだね、助けられてるね。それはそう。頼ったことは一度も無いけど。
 そういう風に見えるんだ、若いわりに結構スレてるね、って思った。だって、お客さんじゃない人の方が圧倒的に多いもん、いつも。だから全体が盛り上がってるときに「やったぜ」と思うワケでさ。
 食ったとかお客さん奪うとか俺にとってまるで重要じゃないんだけど、俺たちの遊びが通用したってのは単純に嬉しいよ。今はそれが結構大事でやってる。
 まぁそういうのが今のバンドやってる若い子、まぁそんな若くもないだろうが、にとっての普通なのかもな。ややこしくて大変そうだ。目上が余計なものを残したな、苦労してんな。(他人事)
 「死にたい奴からかかってこい」には続きがあるんだけど、それはこれからも時間をかけて伝えていく。今はとりあえずこう。

 24日は初めまして下北沢251。ついに下北かぁ! 面白いなぁ。誰にも信じてもらえないと思うが、俺も典型的な「下北沢に住んで陰鬱なギターロック鳴らして前髪垂らしたい人生だった」マンですよ。10代の頃は。
 でもあの頃憧れた下北沢というものは、始めから今までどこにも無かったんだろうな、と思う。人それぞれの頭の中にだけ。
 あーでもマジでよかったよ、あの当時に妙な流れに恵まれてそんな風にならなくて。心底思う。まぁそれはいいや。
 任侠さんにはずっと誘われてて、あーだこーだとやってるうちに一年かそれ以上経ったかもしれないが、おかげさまでこうして呼んでいただいて。下北を汚したい!と言ってたのが痛快だね。中々難しいとは思うが、だからこそイケてるって思うよ。頑張れ。(他人事)
 対バン、大阪のmari4tenや251がホームのGENSEKIが印象的だったな。
 mari4tenみたいなちょっと近未来的な要素を取り入れたバンドサウンドってのは、ツアバン的には今後もしばらくカタいヤツだなと思う。俺も好きだし。なんつうか、外せないよね。男臭い感じがまた良かった。関西の人ってやっぱ話してて面白い。人としての熱量が違うわな。俺みたいな礼儀がグチャグチャのヤツだと失礼がないか不安だけど、お互いワッショイだぜって感じが気分よかった。訳分からん例えだ。
 GENSEKIのボーカルの子は、最近ハイファイコーヒーズのライブを見てヤラれた、っていう面白い軌道を描いてる子だ。
 まだあんまり覚醒してる感じはしなかったが、一個下の世代が今目が覚めて今後どうなるんだろう、って中々興味ある。
 よく思うんだけど、バンドをやれるっていうのは、凄く運がいいことなんだと思う。最近は特に。ラッキーというと変だが、本当に巡り巡って、ぐーるぐるの巡り合わせがないとやってられない。
 子供生んだら即父親母親、そういうわけではないじゃん? 書類上はそうだけど。子育てやら何やらして「親らしさ」なんてものを徐々に獲得していくわけじゃん。
 それと同じで組んだらバンド、ってわけじゃなくて、バンドになっていく過程とか。腹を据えられるぐらいの強烈なビジョンとか。色々ステップがあるわけ。
 自分より下の世代もそういうのを歩んでて、その刺激を今もなお先達が与えていってる、っていう事実が単純に凄く嬉しい。
 俺も頑張ろう、と思う。あんまり後輩を可愛がれる性格ではないけどな、Ghettoは。それはそれだ。

 25日の両国。2と18のヘブンス、22の池袋24の下北、と来てたから、こういうの本当は良くないんだろうが、やっぱりホッとしてしまった。ただいま! ただいまですよ。
 それがまたモッフィー、火暗しときたらね。この二人はもう義兄弟のようになってるな。自分たちの企画で知り合った2人がそんな風になってると、死ぬほど嬉しいよ実際。再びテンアゲ。
 俺から二人の間に余計な何かをしたことはなくて、そういうのは勝手に噛み合っていくんだよな、と二人が乳繰り合ってるの見ながらほっこりした。
 しかしろくなことを覚えてないな。タンポンとウンコとオシッコの話しか覚えてない。クソ過ぎる。ウンコだけに。この楽しさにドハマリするとツアー辞められなくなるんだろうな。(他人事)
 そういや皆ボロカスに言ってたけど、俺はトリのバンド嫌いじゃないな。ADNIS。多少ひねくれすぎてる気はするけど、男女ボーカルそもそも好きだし。それこそさっき書いたバンドのステップの話だと思う。まだ運が巡ってきてない人には、そもそも評価の下しようがないんだよな、と思う。
 運を手繰り寄せるのが実力だけど……ま、いいさ。

 30日は再びヘブンス。前々から乖離。さんが知り合いのドラマー、ナンブさんが所属するという鵺が出るというのでお邪魔させてもらった。
 そしたら1月のPUNiK企画で対バンだったThe Eastern Monkeysもいて再びテンアゲ。メロディがいいバンドってのはそれだけで好きです。途中から「え、そこまで格好よくなるの?」っていう上がり幅にビックリした。戦いの中で成長したのか。サイヤ人かよ。
 トリも久々だったな。まぁ、はい。ありがとうございます。アンコールさせてやる!!っていう気持ちがないわけではないんだけど、やっぱり疲れますね。これ驕ってんのかな。いや、半ば常態化してるけど時間内で満足させるっていうのも改めて重要なことだと思うヨ。ただまぁ気持ちはやっぱり嬉しい。「いくらでもやってやるよ」なんて、いつか言いたいもんだね。
 直前まで言おうか迷って、結局辞めた一節があるので、ここに記しておく。
 「遅くまで残ってくれてありがとう、ってよくトリのバンドで言うやついるけどさ。違うよな。残ってるやつが多いってのは、まだ満足してねえ、帰りたくねえって思ってるからなんだよな。
 そしたら、実はお礼なんか言ってる場合じゃねえくらいコエー事態だよな。
 『お前ら満足させてやるよ』、そういうのがトリの仕事だと思う。平日だからって物足りない理由にはならねえ。ただし自分のケツは自分で拭けよ」
 長いな(笑)と思って。アンコール起きたら言おうかと思ってたんだけど。MCが思いのほか「皆、よく聞いてるな……」という感じだったし。
 ミスったな。今後は休憩用にMCを考えておこう。呼吸整えるだけで違うからな。勉強勉強。

 っていうか俺の悪い癖なんだけど、コールが起きたからといってスタッフに確認しないのはマズイですね。いつも終わってから気付くんだよな。これはよくない。ヘブンスだからといって。ヘブンスだからといって。
 今後気をつけよう。シャレでアンコールのことサービス残業って言ってるけど、スタッフさんこそマジでサービス残業だからね。ごめんなさい。

 ちなみにこの四本のライブ、Ghettoは全部最高でした。一回ずつ成長してるぞ、凄い! 何が起きてるんだろう?! って感じです。
 ごめん嘘、成長って言うか、毎回「今日が一番疲れた」って思ってた。まぁその疲労は裏切ったりはしない手応えなのかとも思う。
 最近定期的に歌上手いね、か、歌上手くなったね、と言われる。一般的な上手いとは違うと思うからどう受け止めればいいか分からないが。父親にはずっと「お前の歌がな……」と言われる。うるせえよ。音楽オタクってのがとにかく一番厄介だなチクショウめ。

スラムスタンス

 俺は日本という人権を行使できる国に生まれ、経済的にそこそこの家庭に育った。
 両親は誠実な人間で、他者との衝突を避けない母と、諦観か臆病か慈愛か、いずれにせよ優しい父の寵愛を一人っ子として受けて育った。
 順調に優秀な教育を受ける過程でドロップアウトして、ハードラックな人生の人間たちとも沢山知り合った。中流が故、半分他国の地を受けてるが故、自営業と会社員の子が故、少々頭があったかいが故、あらゆる人種と知り合う機会を得た。
 この国にもスラムはある。悲劇がある。狂った病質がある。
 メディアの中には、そこへ触れた表現もある。それは常にセンセーショナルでドラマティックで、ファッショナブルに扱われる。真に迫った表現もあるのに、何故かそれはリアリティに差し込まれない。
 ユニークなことに、実際俺がそいつらの話を聞いても、生ぬるいジョークのように聞こえることが多々ある。
 山奥にある足らずの養護学校の奴もいた。
 両親が離婚して、実父が飲兵衛のクズだったから外国人の継母に引き取られた奴もいた。
 何一つ不自由なく、ただ生きてるのがバカらしくて手首を切って学校で噂になってる奴もいた。
 中性的でかわいらしい顔をしていたから、過ぎたアプローチ食らって引きこもった男もいた。
 施設で育って、抜きゲーの3流同人サークルで始めて仲間と呼べる奴を見つけたと言ってた奴もいた。
 薬漬けでパチプロ紛いのことしながら、今では商材営業して人並みの奴もいた。
 クラブに行くのがイケてると勘違いしてるうちに、”ハズレ”の男の子供を身ごもって見なくなった奴もいた。
 色んな奴がいる。それぞれが自分が主人公だと思って生きてる。脇役だとわきまえて生きてる奴もいる。
 今ならハッキリと分かるが、アイツラは全員マネキンだと思う。
 あらゆる環境で、目の光を失わない奴がいた。
 あらゆる環境で、通学バスの後ろの席で騒ぐレベルの奴がいた。
 あるべきところからステップアップしていく奴と、生まれた場所でそれが使命かのように寝転がるクソがいる、世の中にはこの2種類しかないんだと、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も再認識させられる。
 「人は変わらない」と、焼きゴテを押し付けられるような気分が。
 それは精神的な奴隷と、カーストと、何が違うと言うのだろう?

 宗教だとか、経済力だとか、国籍だとか、肌の色だとか、実際的で分かりやすいレッテルに左右される人間は大勢居る。
 その環境の渦中にいる奴でさえ、「俺はそういう人間だ」と思考停止している奴が殆どだ。
 俺はそいつらの目が覚めることは一生無いと思う。
 俺はそいつらの苦痛や苦悩如きが、裕福な家庭で育った人間の希死念慮を愚弄する権利は無いと思う。
 同様に、裕福な家庭の人間がハードラックな人間を侮ることを認めることも無い。
 2018年、世界中にスラムがある。ありとあらゆる国の、ありとあらゆるブラウン管の中に、液晶の中に貧困がある。
 精神と経済と物質の貧困が、未来永劫の病質が存在する。
 お前の家にある携帯かPCかテレビが省電力モードのとき、その真っ暗なボードに写るお前の顔のことだ。

 前へ進め。
 環境なんか関係ない。
 上を向け。
 学歴なんか関係ない。
 人の目を見ろ。
 財布の中身なんか関係ない。
 外へ出ろ。
 笑え。叫べ。踊れ。こぶしを上げろ。
 そこに怒りは無い、憎しみは無い、差別も無い、理想も無い、未来はも無い、夢も、理想も、性別も、理解も、共感も。

 ただ俺はクソ俺だと、お前はクソお前だと。
 そうでもなかったら、今すぐ死んだほうがマシだ。

 行き場のない路上。
 見上げる高層ビルの明かり。
 忍び込んだサーカス。
 ずっこけたオーリー、花火をした廃工場。
 橋の街灯が反射する川。
 落ちてた財布で買った酒。
 デマカセのビラでガメた募金。
 パクったチャリで追いかけた虹。
 そうでもしなきゃ寒すぎた夜。
 そうでもしなきゃ憧れを知ることも無かった。
 そうでもしなきゃ未来が有ることを知らなかった。
 そうでもしなきゃ撫でられなかった頭。

 夜はあまりに長すぎた。
 太陽はあまりに無慈悲だった。
 アスファルトも、制服も、交差点も、クラクションも、ナイフも、何も、かも。

5/18 三軒茶屋ヘブンスドア

 昨日はたまにある最高の夜だった。
 久々に、いかにも酔っ払いの支離滅裂なMCをしてしまった。ライブが終わって冷静になると俺があの時言いたかったのは「今日、もしかして最高じゃね?」ってことだった。そう言えば良かったのに……まぁいいや。
 いいところも悪いところもものの目方一つであって、あるべきところにあれば結局オールオッケーなんだと思う。どのバンドが良かったとかそういうことじゃねーぞ。昨日はそれがハマッてたんじゃねーかと思う。
 毎回ハマってれば言うことないが、全員が目指すべきところを意識してさえしていれば、そんなに難しいことじゃない。個々の不満とかは関係ない。酷いMCだったが(引きずるわコレ)、実際最高のときはそんなもので揺るがないほど最高なんだから、変な話気楽だよ。普段、神経質なくらいにやってるからこそだと思うが。

 同じ場所でライブやってると何度か同じバンドと対バンするなんてザラだけど、そういうときに大事なのは二回目だよなといつも思う。一回見ると基準が出来るじゃん。あんときイケてたあいつらだ、でも今日はイマイチだな? そんなことは誰だってある。
 でも二回目とか何度目かで見た時に「あ、また良かった」、そういうのが大げさに言えば本物なんじゃねえかと思う。その”もの”じゃなく、そう思えた感性が、ってこと。
 そういう感性の火花が未来に繋がっていくんじゃねえかな。未来とか、一番相容れないやつだが……。
 札幌のバンドに対してお土産を、みたいなことをクソMCの中で言ってた気がするが(あれを言えたのだけは自分を褒めたい)、別にバンドとかお客さんとか関係なく誰しもにそれが出来たら一番いい。
 結果さえ良ければそれでいい、というのは間違いないかもしれない。まず否定はしない。中にはそれでいつもイケてるヤツもいるし。自分のことしか考えてないとかさ。別にそれはいい。
 ただ結果が良いのであれば、どうせなら過程も良いに越したことは無いと、ごく当然に思うだろ。俺も思う。それは繋がりとか仲間とか、そういう人間如きの話じゃなく、世の中に通奏低音みたく流れてる。いわゆるバイブスってヤツだな。
 そういう過程全部をお土産に出来たらいいよな。世の中には色んな音があって、PCがあれば一人で何でもシミュレートできるようにすらなってきているが、「なんでバンドじゃないといけないの?」っていう答えはそこにある。
 手間隙お金時間体力練習、コストって言えばそうだしそれが楽しいってのもそう、苦労かけた分だけ益が出るってわけでもない。
 でもバンドじゃないと駄目なんだよな。それはある種の憧憬ってやつで。
 俺らの時間は俺らが提供する時間ではあるけど、いつかに憧れたものを一緒に眺めるような、そういう時間に出来たらいい。自分さえ良ければいいと俺は全くまるでどーしても思えん。全員良くないとやだ。良くないも良いの一部。全員良くなれ。幸せになれ。
 流行り廃れはあるけど、バンドじゃないと駄目なものに触れられたら「生きててもいいか、死ぬほどではないか」と思えるかな。俺は昔思った。今も思ってる。

 ってなことを言えたらまだよかったなークソッタレが!! また当分喋りません!! それがいい!!
 憧れにタッチできたような気になる夜だった。それが共有できたかは聞くまでもありませんね。