ゲロとクソにまみれた掃き溜め

君を忘れたくないから、君を赦しはしないよ

修羅



 もう花も恥らう生娘でもないので、占いにはあまり興味が無い。興味が無いが、手相や人相、四柱推命や姓名判断は割と信じている。あれは統計学だからな。
 実際「こういう顔ってこういう性格」ってのは大体当たってる。SLANG BOOGIEのユーラさんは俺と同じ長岡出身で、顔もよく似た知り合いがいるそうで、その方もやっぱり色々背負ってる「背負い顔」らしい。

 前のバンドのメンバーに勝手に占われてたところによると、俺は壬子(みずのえね)というやつだそうだ。そいつ曰く、これは悪名高い丙午(ひのえうま)に唯一対抗できる運勢らしい。。バトル漫画かよ。ちなみに乖離。さんが丙午。
 そいつは宮沢賢治が、特に春と修羅が好きで、それまで俺は宮沢賢治の文章が宇宙人っぽくて全然好きではなかったのだが、この詩集でようやく少し理解できて幾つか読むようになった。
 宮沢賢治も壬子なんだそうだ。
 で、四柱推命とやらは日時や年数との関係性が高いので、そこから「何故宮沢賢治は春に修羅になったのか」なんてことまで推察していた。今書いてても、何言ってるのか全然分からんな……。

 俺が宮沢賢治と一緒だとは思わないが、春に修羅になる気持ちは分かる。一年の中で俺が一番気が狂ってるのは春から初夏。
 だから今丁度狂ってるところだ。こういうときは、あまり人生に関わるような決断はしない方がいい。
 人間には自我なんてものは一切備わっていなくて、数多の外的要因とバイオリズムの相関が起こす行動が個人のアイデンティティを定義してるに過ぎない、と俺は考えている。デフォルトの状態。ここから思考を取り除くと空になる、と認識している。
 それに対し、こういう言葉があるか分からないが、デフォルトの精神から大きくかけ離れた行動原理にとらわれる状態を「亡」と名づけている。
 創作には空によって生み出されるもの、亡によって生み出されるものの二種類があるように感じる。
 空が高次な精神活動によるシステマティックな文化であるとするなら、亡は肉体的でプリミティブで享楽的だ。メガテンでのロウ/カオスの定義にも親和を感じる。
 端的に言えば薬物を用いた快感や酩酊をもたらすロックンロール的なものは、亡によるものだ。

 どちらが良いとか悪いとか、そんなものは特に無いが、現代と文明の行く先は確実に空、それ以外を排斥する方向へ傾いている。亡だけに浸ると間違いなく破滅する。
 かといって空だけにかまけた人間の疎ましさ、くだらなさ、退屈さ、あまりの正しさに反吐が出るのも事実。何重にもロジックがかかるが、空の性質はつまるところ「接客業においてお客様は神様」ということだからだ。
 亡は「セックス・ドラッグ・ロックンロール」。分かりやすいね。でもそんなのも正直もう飽き飽き。いっつも同じだし。射精したら終わりさ、そんなものは。
 空亡の両端を持たないものに魅力はない。危なくもない。終わりもない。

 天中殺とは違う意味で空亡を用いたが、あながち間違っていないと思う。こんなどーでもいいことに思考がはかどるのも亡の特徴ではある。退屈しのぎに丁度良い。
 ま、春の狂人がのたまった妄言の一つということで。

異文化交流

 自身の留学経験や外タレとの対バンを経て思うのだが、日本人の外国人(というか彫り深い人)への臆病さは凄まじいと感じる。
 そんなに怯えたり謙遜したり意識するする必要が、そもそも無いんだよな。そんなのは地球上の人間全員一緒。
 日本人が外国に行けば「言語通じるかな」とか「犯罪に巻き込まれたらどうしよう」とか、度合いの差はあれど日本に来る外国人もそんなことは全員思っている。
 まぁ、置き引きは確かに日本は少ない方かな……でも、勿論それもゼロじゃない。何故なら俺が[検閲されました]

 文化の違いや生活様式の違いはあれど、知らないところに行けば不安だし、言葉を流暢に喋れるわけではないし、殴られれば痛いし、「人間のライン」は全然変わんないわけ。
 俺は走るの遅いんだけど、だから足が無いヤツに車椅子乗って平地で漕がれたら多分追いつけないわけ。
 だから俺は足は無くても「俺より便利な足が持ってやがる。ふざけやがって」とか思って、むしろ嫉妬する。俺は自分の脚は美脚だと思うから謙遜はしないけど、脚そのものの利便性や何のための脚かを考えたら速い方がいいに決まってる。
 「人間のライン」ってこーいうことなんだけど、要は「足の有無」が言語や文化に置き換わるだけなんだよね。

 日本生まれ日本育ちのヤツが日本のことと日本語に詳しいのは当たり前。でもって、それは誇っていいこと。
 逆に日本生まれ日本育ちのくせに日本のことも知らないし日本語も上手く使えない、これは恥ずかしいこと。
 都会に来ると「どこ生まれ? あー、そしたら名産は○○だ?」なんて会話が本当に多いんだけど、そうしたときに自分のバックボーンを表明できるとスンナリ交流できる、なんて経験は誰しもあるだろう。
 人間なんてものは「こいつは何処から来て、だから○○な奴だ」なんてものが分かれば、そいつ自身が勝手に分かった気になって安心する生き物なわけだ。
 別にバカにしてるわけじゃなくて、それが人と人が最初に対峙するときの本当の挨拶、礼儀なわけ。
 ここをすっ飛ばして馴れ馴れしい人(これもアリとナシが分かれるけど)もいるけど、正直深い繋がりを持てるとは思わない。ま、勿論深い関係だけが是では無いけどね。
 相手がどこから来てどういう体験を経て今自分の目の前にいるのか、それを知りたいですってことをまず表明して説明してもらって、「あなたのことが少し分かりました」ってな風に肯定から入って、今度は自分の番ですねと説明すると、この世に戦争は無いんだけど。
 これが無理なんだよねー。日本に限らないよ。

 たまに英語どころか、何語なんだソレはっていうのを真っ向からぶつけてくる外国人がいるけど、そういうヤツにはむしろ日本語でしか話さない。不思議とその方が意外と話が早かったりする。
 「”%$’&’IO(‘*)!?」
 「え!? 何言ってるのか全然分かんない!!」(首かしげる&お手上げのポーズ)
 「#”%&’&%’(=‘{}」!!」(手振りかなんかで伝えようとしてくる)
 「あーあー!! 分かった!! 分かんないけど分かった!!」
 で、大体なんとかなる。
 いや、これボディランゲージでなんとかなってるヤツだ。今気付いた。俺の身振りが元から大げさなだけだった。全員オーバーリアクションで生きていこう。(超理論)

 話が変わるが、東京に来て思うんだけど、東京の人って変に演技臭いヤツ多いよな。
 いや、演技するのは別にいいんだけど、どうせ演技するならもっと自然に出来ねーのかよ……?? と思って。これは天才詐欺師の俺からの素朴なご意見ですが。
 例えば台詞が妙に芝居がかってたり、表情や仕草が作り物っぽかったり、冗談が妙に薄ら寒かったり。作り物感が凄くて「指摘するのも野暮だな、面倒だな」と思うほど酷い。
 美男美女だけに許されるおこがましい振る舞いや態度ってあるやん。あれを不細工がやったらサブいという、まぁ分かりやすいのがソレだ。まぁ俺は美男美女がやっても笑いますけど。
 そーいう全体の雰囲気の微々たる部分から来る印象と、実際の態度に齟齬が生じるから「嘘クサッ」てなるわけや。

 で、話を最初に戻すと、外国人は当然ながら「それが初めて」と思って日本に来るわけだから、そんな嘘臭い態度「??? これが日本人の普通なの??? それともこの人が変なの??」とかなるわけで。
 正直日本人と外国人との苦手意識の殆どって、そういう変てこな見栄とか紛らわしい態度が語弊になってるだけで、言語とか見た目なんてミジンコレベルの問題なんだと思う。
 会話してるときは相手の目をじっと見るとか、欧米だったらそりゃ見るけど、日本だったらガン見する方が珍しいんだから無理して見返さなくたっていいんだよ。それは相手が日本のことを知るべき。いや違うよ?俺がガン飛ばされると睨み返しちゃうのとは関係ないよ?
 例えば日本でも握手やハグが挨拶として一般化してきてるが、それが正当な挨拶じゃない国は他にまだ有る。それと一緒。
 グローバリゼーションってのは、そんなところが問題なんじゃない。この辺りの感覚はもれなく全員バカ。ツレで東大行った奴らですら無知だからマジで全員バカ。想像力は学力じゃないね。

 まぁこの話で何が言いたいかと言うと、英語が喋れなくてもコミュケーションは可能。
 マジでウケるんだけど、自分に自信があれば地球上の人類、全員とコミュニケーションとれる。大事なのは自分と自分のバックボーンに自信を持つことと、同じくらい相手のバックボーンを尊重すること。あとは、片方だけが銃を持っていたりしないことだけ。
 自分と異なる人間との接し方を知らない人間とは、あまり係わり合いになりたくないなと思う。
 そういう奴とはね、お互い日本語が喋れようが、同じバックボーンを持ってようが、一生コミュニケーション取れないよ。
 「オレ、オマエ、スキカモ」って色んな伝え方が出来るようになりたいな! 勉強勉強。なんでも勉強だ。

3/31@三軒茶屋

 呼んでもらえること、場数踏ませてもらってることは言葉に表せない「感謝」だし、スタッフさんの仕事も卓越してるので凄く勉強になる。
 が、さすがに一ヶ月に4回も連続で同じ場所で演奏するのは自分には少し不健康だということが分かった。勿論それを学ばせてもらったこともまた感謝ではある。
 例えば欧米ではライブ兼パブみたいなとこで何曜日固定ギャラ幾ら、みたいなこともあるんだろうが、そこらへん自分は特に魅力を感じないし、所謂プロ思考ではないんだなと痛感した。

 Ghettoはしばらく月3~5回のライブなのだが、俺はこの活動スパンがとても気に入っている。感覚的には週に一度、たまに二度、くらいでやりたい。
 というか、制作と企画(自主イベントという意味ではなく)、演奏クオリティ、モチベーションや金銭面などのパラメータを考慮するとこのスパンが一番無理がなく生産性が高い、というイメージ。
 勿論バンドで収入が増えれば他の労働に費やす必要も減るのでその限りではないが、とにかく「モチベーション」というのが一番厄介だ。
 時々「一般的な暮らしや労働で溜まる世間とのストレス、ギャップが音楽活動へ向かう一番の動機」ってタイプがいて、俺はそれを全然否定しないというか、むしろ人として正しいことだと思っている。
 音楽を「生活をより豊かにする」という使い方に当てはめるならば、この国では最もギャンブル要素が低く周りと本人が不幸にならないスタンスだね。
 だが、どうも俺は違うらしい。極端な話、人望や収入や音楽的知名度がカンストしようが幸せにはなれないタイプ。俺と世間との齟齬はそんなものでは埋まらない。
 狂ったことを言うけど俺は地球上の全人類に幸せになって欲しいし、それが例えば命を賭けて済むなら俺は今すぐにでも死ぬ。何故か小5でそう思って、今でも思ってる。
 いや、だって、周りが全員心底幸せでニコニコしてたら気持ち良いじゃん。そんだけなんだけど。
 ただ善意とか博愛とかでやってるもんじゃないからな。そこらへん誤解されない程度には嫌われ者でいたいもんだ。
 小5で思ったときはずっと絵を描いてたので絵でなんとかしようと思ってたが、途中で才能が無いことに気付いたから今は音楽をやっている。音楽で戦争無くならねえかなぁ。(超理論)
 とにかくまぁ、異常な熱意でマイペースを保ってるんだということを周りは分かって欲しいし、見習って欲しいかなぁ。
 無理ばっかしてたらそりゃ壊れるっつーの。だって、無理をやってるんだもん。無茶はいいけど無理はダメだよ。

 俺には何が幸せかなんて分かりっこない。
 世の中には徹底的に辱められて惨たらしく死ぬのが理想な人もいるんだろうし。
 いっぱい異教徒を巻き込んで自爆したら天国にいける宗教だってあるんだし。
 なんでもないような一日だと思った。
 俺はバカだから音楽ぐらいしか何も浮かばないし、それ以外はよく分からない。
 こんな日は何度でも来るんだろうと思った。
 今日は夕暮れの空を飛行機雲が縦に割っていて、永遠の流星が落ちてるようだと思った。
 明日もまた見たいな、と思った。
 俺には何が幸せかなんて分かりっこない。
 この道を歩ききれる保障なんかも全く無い。
 むしろ圧倒的に志半ばで野垂れ死ぬ可能性のほうが高い。
 でも明日もまた見たいな、と思った。
 だからなんでもないような一日だと思うことにした。

 Ghetto Chapter89
 「Once upon a time in Ghetto」

middle 90's emotion

 たまには音楽の話題でも。
 というか、最近また好きなバンドが増えてきたから、自分用のメモ書き。

 説明すると夜通しの講義になるので、大雑把に自分のルーツはグランジ、オルタナと人には説明している。ちなみに酔った俺にYoutubeとスピーカーを与えてはいけません。
 厳密にはインディロックや90's Emo(初期エモ)が基礎になっているな、と思う。
 この辺りで代表的なバンドと言えばSunny Day Real Estate、Mineral、Penfold、Get Up Kids、Cap'n Jazz、American football、Ghost and Vodka辺りになるのか。

 知っている人は大体マニア、知らない人は全く知らないバンドたちなので軽めに紹介する。
 SDREはグランジ(静と動の構成)やハードコア(マス感、スピード感、スカスカ感など)に今で言う美メロに乗せて基礎を作ったと言ってもいい。
 ハードロック臭すぎるリードギター、ちょいとポスト感をねじ込んだリズム隊、そして神経質で文学的、繊細で優しく澄み渡ったジェレミーのボーカル。
 初期はローファイちっくなスカスカサウンドで突っ走る部分もあってそれがまた良かったが、後期では宗教的な影響でどんどん神々しい編曲になっている。これがまた良い。北欧のポストミュージックに通じる部分もある。

 Mineral、Penfoldはこの手のジャンルでほぼ真っ先に名前が挙がる二組。というか基礎知識。日本でメロコアだったらハイスタ、みたいなそういうレベル。ちなみに俺の世代でパンクと言えばグリーンデイだった。
 特にMineralの素晴らしさは表現しがたい。あの素晴らしさを味わいたい、広めたいがためにバンドをやっている部分が確かにある。
 今にも泣き出しそうに張り詰めた声、お世辞にも整った演奏やサウンドとは言えないが、故に加速した失意と情感が胸を打つ。一つ一つのギターのフレーズも一つの極致だと思う。一枚目のアルバムは捨て曲無しの大名盤。
 Penfoldも共通点は多いが、いくらなんでもスローな曲が多すぎるし、綺麗過ぎる。あと声もあまり好みじゃない。でもI will take you everywhereは傑作。そんなことは林檎が地面に落ちるのと同じぐらい当たり前。

 Get Up Kidsは上記の3組がハードコアからの影響なのに対して、メロコア的な感じ(HUSKER DOやDESCENDENTS辺り)が強いね。
 ただポストロックにも通じるような縦横無尽の構成とメロディが凄い。日本だと何故かメロコア勢はGet Up Kids聞かないイメージだけど、HUSKING BEEとかその辺かな。
 ただ自分は余り声質が好きじゃない。こういう声がまたこの周辺に多いので、俺の趣味が煩雑になっている。TEXAS IS THE REASONとかさ。演奏のサウンドは本当に凄く好きなんだけど。

 Cap'n Jazzはこれ。

 完璧かよ。

 American footballの良さは上記とは対比的の、「激しさをひたすら秘めたエモ」だね。
 テクニカルなギターフレーズに耳がいきがちだけど、大事なのはそこじゃないと思う。牧歌的な陽気さの裏側で静かに気が狂っていくのに、あくまで表面的にはのどかなまま、みたいな。
 楽天そうに見える欧米人が慢性的に抱えた抑鬱って、一般的なアジア人が日頃から感じてるような倦怠感とは比にならないほど深刻だと思う。そのヤバさが美しさになるんだから、尚ヤバいわけ。
 というのも、アメフトの文化に迎合できる人間が、アメフトをバンド名にはしないと思うんだよね。まずアルバムのジャケットがただの家だし。イケてるヤツは家をジャケットにはしない。
 あと最近復活した。この手のバンドはとにかくすぐ解散する。アルバム1、2枚しか出さない。あのバンドのドラムがこっちのバンドだとギターで、みたいなこともよくある。アメフトのマイク・キンセラ(Gt)がCap'n Jazzのドラムだし。それも解散する。
 それがまた儚くて良かったりもするんだけど、やっぱり「今もやってる」ってだけでなんかホッとするね。っていうかこの辺も例に漏れず再結成しまくってるしな。

 Ghost and Vodkaはよくtoeの元ネタとしても挙げられるインストバンド。上手い。とにかく上手いし嫌味じゃないオシャレ。上質な家具として聞いてます俺は。toeより好きだな。
 This Town Needs Guns(TTNG)がよくアメフトとこれの後継というか、同系統に語られがちだが、俺は両方を足して3で割ったような感じだと思う。エモリバイバル以降のポストロック、マスロックには大体そんな風に感じる。好きな元ネタ同士を上手に組み合わせてるんだけど、どっちの良さも半端で確実に何かが元より欠落しているような。
 でもリバイバルってそんなもんか、大体。重要なのはリバイバルのおかげで例えばアメフトやCap'n Jazzを知る人がまた増えたってことなんだよな。
 俺の中ではとっくに超有名なんだけど、何故か周りではほぼ誰も知らない。なんでだ。

 このあとはダラダラと羅列するだけ。
 最近の一番のヒットはとにかくFootball , etc.

 真っ先に思い浮かんだのはJejuneだけど、良いところだけを抽出して現代的に再構築しているね。強そうな見た目から想像もつかないほど伸びやかで澄み切った声。この手のギャップもエモの魅力の一つなんだよね。ハゲデブチビこそエモをやるべき。

 Footballと言えばアメフトに対してチャイフト(なんやこの略…)もいいんだよな。
 
 中国のバンドだと透明雑誌ってのが好きだけど、どちらも外国の音楽を直輸入ってぐらいリアルに取り込んでるのに、中国語の発音が乗るとどことなくエキゾチック、しかもそれが哀愁的に聞こえる。不思議。音楽おもちろい。音楽ちゅごい。
 中国語って、単体だと俺はあまり好きな音じゃないんだけど、このバンドの歌はすっごくカワイイ。たとえ見た目がデブ眼鏡でも。エモは人類共通。世界を平和にするのはエモ。

 Into It. Over It.も若さと男臭さが織り交ざったような感じが好き。諸説別れるとこだけど、mineral好きからすると、エモリバイバルの筆頭はこのバンドだと思うな。
 ツレと工場や農場をぶらついて、その辺で立ちションして缶ビールで乾杯して、そんな思い出が蘇る。
 
 折角いいメロディーがあっても展開が速すぎて浸る暇がないところが俺としては惜しいんだが、とにかくサイダーのような疾走感や青さがたまらないよ。
 エモリバイバルではAlgernon Cadwalladerなんかを筆頭にテクニカルが目立つバンドが多いけど(好きだけど)、あそこまで弾きすぎないのがいい。当然ながら音質や音響も音楽の一部なんだよね。「聞き取れる」だけが正解ではないんだ。
 ひたすら沈んでいくようなサウンドの中、静かに告解していくようなこの歌も泣けてくる。
 

 Sorority Noise
 
 やっぱ俺は、男臭いのがどことなく頼りないサウンドと元気なビートで歌ってんのが基本的に好きなんだろうな。
 でもシンガロングは取っておきのマジのここ! ってとこだけが俺は好き。シンガロングしたらアガるのは当たり前やん。だからこそというか。まぁ一言でまとめるとこれはドMということなんだけど。

 Castevet
 
 イントロってこういうもんだよな。こういうことがしたいときだけ「天才的にギターが上手くて悲しみで気が狂ったヤツがいれば……!」と思う。
 まぁでもやってみたら違うアプローチでGhettoもできるようになるから、いつも「ま、いっか……」となる。ギター2本あってもダメなもんはダメだしな。

 そういえばLast Days Of Aprilの来日が4/30ヘブンスだっけ? かなり迷ってんだよなー。何で迷ってるかというと、「なんだ対バンFOOLAかよ……」っていう。
 いやFOOLA自体は嫌いじゃないし、むしろ良いオルタナバンドだと思うんだけど、Last days of Aprilには違うくね……? っていう。またオルタナにしてもアレは古い様式だし。楽しみ方が違うって言えばいい?
 もっとマスなバンドの方がいい具合に高まって見れるのにな。
 ちなみにLast Days Of Aprilはこうだな。
 
 北欧のバンドって感じだよな、この美しすぎるメロディ。何歌っても美しくなるんじゃねえか? 確かスウェーデンだったかな。
 サビで爆発するような分かりやすいカタルシスのあるバンドではないけど、それこそ音質や音響やフレーズや単語の一つ一つが全て作用する綺麗な楽曲ばかりなんだよね。
 俺が一番好きなのはこれ。
 
 冒頭のカッティングミュートから流れ込む歌とキラキラしたサウンドがたまらない。Aメロの歌凄すぎない? 特にひねったメロディではないんだけどね。あとサビが他の曲より比較的サビしてる(笑)

 あと最近はまた、歩くときこればっか聞いてる。
 Discharming man "blind touch"
 
 海老名さんは俺の知る中で最も日本語を美しく扱える人の一人だね。

今更もう遅いかもしれない、

 「お前がいてよかったよ」と言ったな。
 何度飲み明かしたんだろう。大体お前はチェリーコークスかブライアンセッツァー流してた。
 で、大体アガって深夜にタイヤ公園行くわけ。何時間もぼーっとして。たまに朝が来て。
 一度調子こいてアイリッシュパブ行って、指先から肘ぐらいまである様なクラフトビールに歓喜して、会計のときヤベー額に冷や汗かいたの覚えてるわ。
 最初は共通の友達が開いた飲み会でバッタリだったな。あのときは同じコースだってのが逆に壁になって、全然他人行儀だったけど。
 あーあ、俺は変な調子に乗ってアレで周りと気まずくなっちまったんだよな。バッカみてー。今でもやってるヤツだ。
 でもお前と次会ったとき、高校なんてロクに通ってねーって話でやけに意気投合したな。あんな豚小屋行ってる奴らの気が知れなかった、ってよ。
 大体お前の単車の話とか、革ジャンの話とか、ギターの配線とかコンデンサーがどうだとか、全然俺興味無くってさ。ちんぷんかんぷんだったな。今もだけど。
 座学だと刺青のモチーフとか俺の似顔絵ばっか落書きして、全然内容覚えてねーんだから。
 何の因果か専属のレッスンも二人一緒でな。お前の方はやたらと友達多かったけど、何かにつけて一緒だったな。
 お前に飲まされてからギネス好きになったよ。最初はやたらと苦くて濃いとしか感じなかったけど。テメーも実は味よく分かってなかっただろ?
 好きな漫画もワンピースとか、キャラで言ったらフランキーみたいな。
 マジで気が合わねえと思ってたけど、お前が言うと「そーいうのも悪くないかもな」と思えたもんだった。

 今頃どこで何してんのかな。
 ローディーの仕事やりだしてたのは、聴いてもないのにお前がベラベラ喋るから知ってたけど。八の字巻きこんなに早くなったぜ、とかなー。
 他の奴の「あ、うん、すごいねー」みたいな態度にしょぼくれて、俺が「そもそもギター下手じゃねえか」とか言うと嬉しそうに「知るか! お前こそドナ・リーもっと弾けるようになれよ!」とか言い返してな。
 どっちもロクに弾けなかったじゃねえか、あんなもん。そもそも曲が良くねえんだよ。

 あるとき先生が「全員目を瞑って、想像してください。大観衆と、その前で演奏している自分を」と言って、俺は迷わず手を挙げた。
 薄目で見たら、手を挙げてるの俺と隣のお前だけだったな。
 あのときのお前の顔、ウケたなー。やたら難しい顔してて。
 「はい、もういいですよ。今手を挙げた人だけが、その場に立てます」
 当たり前だろ、と俺は思った。小学五年からずっと、頭にフッと湧いたそのイメージに取り付かれたままなんだから。
 ヨシッ、って声が小さく隣から聞こえたな。

 望月、お前まだ、そのイメージ持ってるか?
 俺は片時も離してないよ。
 お前がいてよかったよ、と俺は言う。
 ずっと言う。