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Archive2018年02月 1/1

戒めのレンダー

「俺のどこが悪いか言ってみろ! ええ!? 言えねえんだろ、自分が一番悪いって分かってるもんなア!!」 煤にまみれた黒い指でユミの茶色い髪を引っ張りまわしながら、ワニが怒鳴っている。 ワニは怖い。背も大きいし自分も周りも全部壊さないと気が済まないって風に、いつも苛々している。「ごめん……ごめん、もう行かない、行かないから……」 火のつかないガスコンロのようにか細い声で、ユミが呟いた。 でも今度ばかりはユ...

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空白恐怖症(二月美貌)

 2018/2/3(土) 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR mizuirono_inu×HEAVENs presents, 【835NIGHT vol.3】 Ghetto Chapter82 「眩しくって笑うよ」 いい日だった。俺が「いい日だった」と思うのは、全員が一つの目的を共有してるとき。当たり前だな。 この当たり前が難しいんだけどな。態度の示し方一つとっても、全員やり方ちげーから。 mizuirono_inuのサウンドは現代的な部分がとても強い(それも最先端では無いが)印象だから、本...

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対話というもの

 あまりに一般的で通俗的でありながら、瞬発力と準備、機転と予備知識、反復と先天性、時間と訓練、声質とその反響、声量の制御が問われるクソッタレなゲーム「会話」。 「コミュ力」とかいうババシャツみてえなゴミセンスの言葉が跋扈して久しいけど、こんなものを攻略する必要は無い。ゼロ。全くの無。振り回されてるバカどもは「この壁に道具を○○個持った状態で王様の椅子の三マス右の壁に15回ぶつかる」みたいなバグを探し...

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継ぐの日

 でも貴方がいないこの場所で、私が戦い続けることに、どれほどの価値があるのでしょう? 何故なら貴方がこの場所で私に残した価値は、貴方が思うより遥かに重く、その重みは貴方が伝えた人に、最も僕に辛い形で残ったからです。 きっとさほど、気にも留めない風に言葉にしたでしょう。 …………。 貴方がいないこの場所で、私が戦う意味が無いとは言わない。 この街とあの箱は、貴方に対しさほど好意的ではなかったかもしれませ...

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本当の戦い

 最近身の回りで胸が締め付けられるようなニュースが多い。 知り合いだったり、一度対バンしただけだったり、全く知らない人だったりもするけど、僕は「他に選択肢は無かったんだろうか……」と思ってしまう。それこそ他人事の無責任な感情なんだけど。 新潟にいた頃は今よりもっと自分が未熟で、今でさえ「他に言い方は無かったんだろうか……」「なぜあんなに視野狭窄なまま怒りに支配されることを選んだのか……」と思うことは沢山...

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鉄の華

 眩暈がした。空気はひび割れそうなほど乾いていて、ジェット機の音が耳鳴りのようにいつまでも鼓膜にこびりついた。 雨だったら泣けたのに、という歌を聴いていた。それはいつも自分が思っていたことだから。 でも僕は、珍しいほどの晴れ間で、それがどうしようもなく磨耗して消えていく自分そのものだと錯覚して泣きながら歩いた。 この道に「どうして泣いているの?」と問う人間はいなかった。 この道に「あそこで待ってい...

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