くちづけには長く

僕たちがグッピーだった頃
あなたと一生を過ごすのだろうと思っていた
夏の海を失ってから、僕の人生は
正直、おまけみたいなものだ
なんとなく惰性で生きているし、だから、目の前のものにすがるばかりだ

僕たちが鳥の卵だった頃
あなたにすべてを捧げるのだろうと思っていた
ひかりを失ってから、僕の人生は
正直、残り物みたいなものだ
なんとなく選ばれもしないし、だから、とにかく死にたくなるばかりだ

人から貰った大切なものは全部破って燃やす
とっていたって仕方が無いよ、僕はありえないほど気持ち悪いからね
僕は触るべきじゃないよ、すべて、穢れていくよ
本当に、まぁ、汚い生き物だし、だから、どうでもいいかって思うときが来るし
汚いから別にいいと、汚いところに飛び込んで
ますます汚くなるばかり、別に、心ばかりの話でもないね

あなたは綺麗だから汚してはいけないと言い
僕を捨てる人の目は、どうしてそう汚いものを見る目だったろうか
別に分かっているから、分かっているよ、なのに
そんなことは言わないでくれよ、なぁ、俺は最低なんだって、間違いないんだって
僕は、これでも少しは自分のことを知ってる、考えてることも勿論分かるし
だから、最低なんだ、最低だと思われるから、言わないでおくことも沢山あって、ますますそれも最低だろう
俺は本当に最低なんだ、だから今まで一人だったし、別に、最低だって分かってるからこれからも一人でいいんだ
そうすれば哀しいことも苦しいことも無い
勘違いも辞めて、いい加減日陰者になるべきなんじゃないかとずっと思って
同情も諦念も呆れるほどされたけど、違うよ
僕に本当にすべきなのはただ殺すことなんだ
ゴキブリとか蛾とか、そういう醜い害虫を、感情も慈悲も無く殺すことだ
僕より害でクズも沢山、この世にはいるかもしれないけれど、他人はどうでもいい、知りもしない奴は、どうでもいい
僕はただ、一番身近にいるこの僕って奴が、心底嫌いで、心底嫌いだ
僕が一番嫌いなのは僕だ、ずっとずっと僕だ

本当に跡形も無くなりたい
どうせ何もかも世の中は汚いし、ゴミしかいない
けど僕はゴミ、いやゴミ以下だし、これ以上ないほど醜くて下衆だし、もう本当に生きてることが許せない
僕は気が狂ってる
それぐらいは、認めるよ
だったら、どうにかするとかもう諦めて、誰もが僕にそうしたように
僕も諦めたらいいだろう

言葉を飾ることも、見てきたものを自分の言葉にすることさえ、今は出来ない
何の価値も無くなってしまった
初めから無かったとは言わない
でももう無い
お前やお前に、もう価値が無いように
僕にも無い
「お前」にも価値は無いよ、僕から見れば
どうせ黒ずんで、色褪せて、空しくなって、いなくなるだけさ
いなくなるだけさ

帰ろうか、帰るよ、帰ろうか、帰るよ
手を繋ごうか、それは嫌だよ、歌を歌おうか、それは嫌だよ
花はあっただろうか、それは散ったよ、ひかるはあるだろうか、それは散ったよ
夏の海は生きているだろうか、もういないよ、雪粉は降るだろうか、もういないよ
愛せないだろうか、愛すよ、愛せないだろうな、愛せないよ

2010/01/26
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