パラサイト

頭の中に寄生虫を飼ってるタイプがいるんだな
俺もその一人で、寄生虫同士は何か、電波みたいなもので呼び合ってる
だから俺たちは寄り添い、寄生虫の囁きに狂ったフリをして、錠剤を噛み砕く
何かがおかしいんだ、何かがおかしい
俺たちの希望は蛍のように宙を舞って
あっという間に死んで腐った

でも今日はなんかなぁ、別にそれでいいような気がして
自分が死んで骨になったら、その頭蓋骨を突き破って木が生えてほしいんだ
それから木に鳥がとまって、蜘蛛が巣を張って、葉を風が撫でて
そんな気がしたらいいのにな
でもなんかなぁ、愛されずに生きてきて、俺はしくじった
君もしくじった
おかしかったと言い訳しても、なんだかねぇ、罪は罪だし、消えないわけで
全部汚れてやがる、汚れきって、でも別にいいような気がして
身体の中に種が渦巻いて、結局萌芽して寄生虫、新しい夕日を見てよ

明日も良い日なの、と嘯いて
いつまでも笑っちゃえばいいさ、盛り上がったあと静かになるリフレインの夜明けなんだ
口笛吹いて、帽子被りなおして、全部嘘だったって笑えばいい
正気になるために、また唇の皮噛み千切って、鉄を舐めて
低体温症になって、冷たい手を擦って
青ざめた顔で口から胃酸を垂れ流して
ヒキガエルのように這いつくばって、ヒルのように汁をすすって
ナメクジみたいにドロドロになって、綺麗も汚いもなくなって
腹の中で種も土も燃やし尽くして、溶かしつくして
くそったれ、全部くだらねえんだ、俺も君もくだらねえんだ、人間はくだらねえんだ
脳髄で寄生虫は視神経にアクセスして、朝の日、ペンション、ステートオブグレース、もうなんか、泣きそうなんだ
錠剤噛み砕いて、今日はそれでいいような気がして、君はミルク飲み干して
なんか生きれそうな気がして
俺は毒づくんだ、この世に俺は何にも似合ってねえ、俺は何にも似合わねえ、ここにあるのはただ蝉の抜け殻

中身はいつ死んだのだろう、俺は給水塔の傍で眠った、血と泥で汚れて冷たくなった手を擦った
ワイシャツは雨でびしょ濡れだった
やっぱり錆びた匂いがする
口の中が血の味でいっぱいだ、俺って奴は、どうしてこういう生き物
リョウちゃんの顔を思い切りぶん殴って、嫌いだぜ、てめえ、俺の腹に引っかき傷、頭が痛い
大した理由じゃなかったろう、くすぐられて俺はカッとなってぶん殴って
寄生虫、寄生虫、どうすればこの光を守れたんだろう

でも俺は安心してるんだ、自惚れてるんだ
俺は変わってないんだ、いまだに命守ってんだ、子供の俺はずっとそこでうずくまってる、耳を塞いで、目を瞑って
そいつは変わらないし、世の中は子供の俺には残酷すぎるから、ずっとそうするしかないんだ
でも俺が守り続けてるそいつはまだあるんだ
きっと俺こそが寄生虫、何にも言い訳しない、全部俺のせいと世の中のせい、俺は何にも悪くない
子供に罪はない、生まれたことは罪でも、愛したことは罪でも、愛されるために生まれたことは罪じゃない
俺も罪になった、俺は君をどっかに連れて行きたいな、でも本当は子供を連れて行ってほしいな
写真の中で笑ってる子供を見て、なんだか俺じゃないみたいだなぁ、と思って、それは多分本当だろうな
そんなことより君の髪を一束、口に挟んで、朝が来たと笑っていたい
12月の朝、時間なんて関係ない、太陽が出て、朝だ、朝なんだ

外は晴れで、俺は雨、雨、雨
救いなんて無いぜ
本当に無いんだ
救おうとする人はいるぜ
助けてくれと叫んでも
無駄になった人を沢山見た
君の影を追っていた日を思い出した
もうどうだっていい、もうなんだっていい
穢れきったこの身体を抱いて、どこまでもいけるならそれでいい
愛の歌、犬が食ってしまった、そんなもんは要らねえ
青の歌、俺は泣いてしまった、今、泣いてしまった
この色はなんて色だ、教えてくれよ、なんて色だ
透き通ってて、俺は眩暈がしそう、濁りがあって、俺は眩暈がしそう
とてつもなく綺麗で
俺は眩暈がしそう
身体から剥がれてく君の魂を
俺は眩暈がしそうになりながら
見ていたと思う

充血した目に眩しすぎる
夏の日差しの下
木漏れ日
アイズ ワイド シャット
ダウン

2009/12/17
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