02
2013

レプタイル

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脳が二つある

隣の部屋では戦争が絶えないってさ
隣人の俺の苦労も分かってくれよ

夢なんだろ?
何もかも夢なんだろ?
目が覚めたらまだコインロッカーという子宮の中なんだろ?
時折背筋が凍るのはアスファルトの壁の中にいるからだろ?
あの子のことが好きだったのは別に大した理由じゃない
小指の第二関節がいつも少し赤らんでて
それが綺麗だなと思っていたからだ
バレリーナ、くるくる回る
擦り切れたトゥシューズは純白よりも美しい

古ぼけたアパートの非常階段の一番上
太陽が沈むのを見ていたら、この世の果て、俺は恵みの雨を待っていたのさ
色を塗る上で大事なのは光源さ
光の傍ほど影は濃くなるんだ、境界線があるんだ
そこに立って、両側を見るってことが俺の宿命であり罰らしいよ

ある日突然分かったんだ
新興宗教のボケどもじゃないが、俺はある日思ったんだ
何もかも自然じゃないが、一番自然じゃないのは今ここに俺がいるということなんだ

脳が二つある

ここは俺の部屋なんだ、勝手に鍵を開けて入られると困る
片付いてないし、昔割った花瓶もそのままなんだ
飛び散った破片を踏みつけて血が出たって、俺は知らないぜ
その血の染みだって掃除すらしない
シーサイドベイビーにスイサイドジャーニーを教えてあげればいい
サマーオブラブで俺たちが愛したフィオナ・アップルの怠惰な歌も聴いてあげればいい
この部屋は廃墟なんだ
勝手に住み着いてるホームレスなんだ
でもいつか追い出されるんだろう
そのときどこへ行けばいいか分からない
分からない
行き先はないし、探す気もない
みんななんで知ってるか分からない
分からない
俺には俺だけの狂気があそこにある
俺には俺だけのナイフがあればいい

2009/09/23
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