静今朝

このベッドに重力が発生している
もうすぐ吹雪か台風が吹き荒れるらしい
この狭い部屋でも怪物はうろついてる
奴らと目が合ったら最後だ
俺は布団を被って丸くなる
目立たないように生きていたつもりだ
そのときまでは

やがて布団が持ち上げられて、光が差す
俺が恐る恐る顔を出したら目が合ったのは怪物だった
この狭い島国にも人間は沢山いる
だから俺はなんてついてない奴だ
どうしてこいつは俺のもとに来た
一生こいつと出会わないで生きていく人もいる
僕は出会った人間を笑っていた、他人事だと思っていた
何故布団を取ったのが××でなかったのか

怪物は中年の親父みたいに太ってる
そのくせ手足は細くて、不潔そうな肌だ
髪はない、耳もない、しわだらけでたるんだ顔の中に、埋もれそうな目が一つある
何も言わない、ただ僕を馬鹿にするような、哀れむような、そんな目だ
それから俺そっくりになって、俺の左耳から頭の中に入り込んだ
そして住み着いてから貧血と目眩と幻聴がする

これからどこへ行こう
目の前にあったはずのレールは怪物が食べた
明かりも壊した
この地面にはガラスの破片や虫や刃物が沢山落ちてるから
手探りで歩いて指先や足がボロボロだ
もう歩けない、こともないけど
最近ますます暗くなってきて歩くのを躊躇うんだ
きっと最後には何も見えなくなる
そして一人になるのさ

2009/07/07
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