21
2013

キュン

CATEGORYカルチャー
 更新します、とか言って週一更新どころの話じゃ(
 書くことはないわけでもないんだけど、なんだろうな。他愛のない事をやっているのだよ。最近更新してないじゃん、みたいな突っ込みは結構本気で受け取るので、やめてくれ。

 最近結構ときめきポイントを訪れることが多かったので、その紹介でも。ステマだよ!いや違います。

 EVISU
 ラブラ2に遊びに行って、四階にあったデニムのお店。
 ラブラ自体「新規客ウェルカムの阿婆擦れ店ばっかりだな」と思ってて、もう入り口から「来るな!」って書いてあるお店があったら逆に入るよね、なんて話をしてたら、ホントにあった。
 入店してもいまいちカオティックというか、スカジャンみたいな刺繍のデニムジャケットがあって、うわなんだこれ面白いと思って眺めてたら、髭のおじさんに話しかけられて。
 うんうん、と聞いてると、デニム談義が止まらないんだよ。店員さんだろうから、営業トーク半分だと踏まえて聞いてたが、なんとも楽しそうに話をするんだよなぁ。マジでデニム大好きっす、みたいな。
 僕も話の分かりそうな奴にしか話しかけないからね、とか京都弁で言って、ホントに他の客ガン無視っていう。すごいな。いつ俺が話の分かるオーラを出したんだろう。
 扱ってる商品はどれもかなりクールで、「デニム?いやジージャンとジーパンだろ、気取るなよ」と思ってた俺も、話が終わる頃には「あ~、これがデニムかぁ~」とすっかり洗脳されてしまった。気取ってる。
 店っていうか、あとで聞いたら休日に遊びに来た店長らしいんだけど、この店長さんが名物だね。結局デニムジャケット買ってしまったんだけど、特に用が無くても遊びに行きたい店だ。服屋でそんなこと思ったの初めてだよ。
 JELADOっていうお店に入れあげてた望月って友達がいるんだけど、「お前それ、騙されてるよ」ってくらい高い商品ばっかり買ってたが、その気持ちが少し分かった。
 いや、今でも「あいつ騙されてたな」とは思うんだけど。元気にしてるかな。

 Fa-an
 ファーン、と読むらしい。レーサーの岡村さんが飲んでるお付き合いでお邪魔したショットバー。RIVERSTの近く。
 なんというか、摩訶って雰囲気だな。
 バーテンダーの人が水タバコでプッカプッカやってるんだけど、その絵面がとにかくアレだったね。
 岡村さんが「あれで気持ちよくなってるわけだからね。いやあ悪い店だあ」みたいなこと言うからだよ。
 お酒は……俺は酒の良し悪しは全然分からない、利き酒なんかもってのほかなんだけど、ここはかなり美味いほうじゃねーのかな。というか、新潟のショットバーのレベルは平均が高いほうだと思うのよね。全国一位のバーテンダーがいる、すいとんやもあることだし。
 カクテルか分からんけど、スイカウォッカとかいう奴がすごかった。スイカのフレバーとウォッカのアッパーが鼻を抜ける。美味いカクテルが飲みたいっていうときには、これはいい店なんじゃなかろうか。
 店長はかなり曲者っぽかったけど。それも味なんじゃねーの。

 二件目に「パスタが美味い」と言われて連れられたバーもすごくよかったんだけど、名前を失念した。
 こちらは店長がすごくかわいい人で、男気のある可愛さというか……愛嬌がすごかったね。どちらかというと、こちらの方がほっこりして俺は気に入ったね。
 あー名前忘れた……というか見てなかった……。

 あと場所ってわけではないが、新潟美術館にルドン展を見に行った。オディロン・ルドン。所謂「黒」の絵の作風が有名だな。こういうやつ。
 もともと極上の黒を味わいたくて行ったわけだけど、結果的に感動したのは色の絵だった。
 勿論黒の絵は最高だった。
 これが!!
 これこそが黒か!!
 これが眼球!!!
 って感じでした。。。

 しかしその後、50歳くらいか、にして方向転換、色彩豊かな絵を描きはじめたらしいんだけど、この絵たちが俺はすごくよかった。
 黒があるからこその、この色か!! この色彩か!! この茫洋とした残酷さ!! 美しさ!! 可憐!!
 と鼻息荒く見ていたら、他の観覧客に追い抜かれまくり、昼飯時を過ぎたくらいに入ったのに、出てくる頃には最後の客だった。おかしいな。
 下手と言うと語弊がある、しかしルドンは、特別画力があるようには見えない。勿論並や基礎は押さえているんだろうが、真面目に書いたらしい絵でも少し崩れた感がある。しかし、それは味だ。何故なら芸術だから!作品だから!気品が違う。そこらの凡人が書いた落書きモンスターとは、品格が違うのだ。
 
 ルドン個人に関しては、絵と説明文だけで勝手に言うけど、幻想とか奇病とか、そういうアレじゃなくて、ただただ眼球の好きな偏屈親父だったんじゃないのかな、と思う。そして、偏屈の影に隠した、いじらしさやナイーブさを多分に持ち合わせていたと。そんな印象を怪物たちのシケた面に勝手に重ねた。
 ほんと、どいつもこいつもシケた顔してんだよ。それがね、可愛いわけ。キモ可愛いっていうのは、おそらくこういうときに使う言葉だろうな。正確なイントネーションではゲロシャブ可愛いって感じだけど。
 更に戯けた偏見を言うと、ルドンは特別コミュ障でも人格障害でもなかったと思う。(表面上はどうあれ)
 でなければ、ボードレールとか植物学とかの感受性と向き合い、これほど絵に落とし込むことは不可能だったに違いない。
 ルドンの人生における影響、シンパシーをそのまま作品で表現できたから、これほどなのだろう。作品そのまま見て、「ああ、きっと頭がおかしいんだ」「人の世で上手くやってけないんだ」みたいなのはトンとお門違いじゃないかな。
 芸術家って、結構、うまいことやってる奴が多いぜ。今も昔も。だってそもそも、パトロンがいねーと活躍できねーもん。乱暴に言うとヒモな。ヒモになれない奴に芸術家は難しいんだよ。
 だから、クソッタレが自分のクソッタレぶりとこういった作品を勝手に重ねるのは、俺は反吐が出る。共感はもっとずっと先の話だ。
 大切なのは、ただそこにあるものを見るということ。絵は「見る」(観る、視る)の贅沢なのだ。

 すごく気に入ったものが沢山あったんだけど、「目を閉じて」(モノクロ)と、「アポロンの馬車」(三作目)、「ペイルルバードのポプラ」、「聖母」辺りはグッと来た。
 怪物たちはみなグロ可愛かったが、おそらくアレはルドンの頭にいたものを、スッと出しただけだろうからなあ。
 この辺はきっと、描いてる最中だかに「あっ……」というポイントがあったんじゃないかと思って。
 俺はアーティストのそういうとこが好きだね。通好みだろ。

 美術館というコンテンツ、概念も今回は合わせて眺めてみた。つまり、絵を見る人を見てたんだけど。
 向き合い方、向き合う時間、向き合わない方、結構人それぞれで面白い。残念ながら、「あ、絵を見てる」と思った人は誰一人としていなかったけど。
 確かに見てはいるんだろうけど、なんだろうね、奴らの流れ作業感は。
 「絵を見ている自分」を獲得しに来ているのだろうか。「この間ね、美術館に言ったの」という名札を取りに来ているような……。
 まあ、いいか。そんなことは。えらく充足した時間だった。
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