14
2014

サレンダー

CATEGORY
腐っていくあなたが好きとオンタリオのヒッピーに憧れた女は言った
ぐずぐずになったスープのジャガイモをスプーンですくって、すする音がひどく不愉快だった
汚いものも突き詰めれば、思想や覚悟さえあれば、美しく綺麗なものに昇華する
それが例え破滅的なものだとしても、俺はそういう美学を否定はしない

無条件降伏だ
俺には何にも抗う術は無い
フィクションに出てくる女の人に恋をして
その先に、何も無かったとしても
John Player Specialを吸う女は嫌いで
Black Devilを吸う女はもっと嫌いで
第三の男はソフトパッケージを握りつぶす

海の際で、カモメとウミネコが鳴いて、空に浮遊している
俺とあなたの足先が、波に浸かる
ここは音が鳴っているのに、ひどく静かだ
ルーシーの寝息を聞いた夜に
俺の灰色じみた肌に病的な白さと、白亜紀の赤が差し込んだ
キャンドルの火が揺れて
どっか行っちまえばいい、単車に乗って、どっか行っちまえばいい
俺はあなたに乗っちまって、荒野の地平線を突き抜けて
夜明け近く、海に岩礁、塩の柱、岬の灯台
I want the motorcycle

ガソリンは残り僅か、機関銃で銀行を襲うんだ
トンネルを潜り抜けて、両手をあげる
ここで行き止まり、ここでヴァージニア・スイサイド、アメリカン・スピリットの風が吹く
疲れた顔してないで歌おう、歌おうよルーシー
俺は口笛できないから、タンバリンと手を叩く
陽気なカモミールの花を揺らして
首までどっぷり、意識飛ばしてあなたのところに帰るよ、ルーシー

緩いカーブ、軋む骨、その音、溢れかえる罪の雨、潜り抜けて、空は曇っていた
ゴーストタウンでコンクリートに絡みついたツタの利発的な愛を
目の焦点を合わせるのもだらけて、口の端からよだれ垂らして
窓から見る、サクラメント、農場のように、ショッキングピンク
溢れかえる、罪の雨、百合の花、シロツメグサ、溢れかえる
窓際のソファであなたの肩を抱いて、いつまでも酔っていたいね
いつまでも酔っていたいねルーシー、リリィの命のルーシー

最後に会った月の光を思い出して、ここで恍惚として
美意識を失わなきゃあなたに会えないよ
緩いカーブ、曲がり損なった、ガードレール、単純な否定、風が吹く
最初に会った太陽の光を思い出して、ここで煩雑になって
犬のように、舌とよだれ、垂れ流して、昼間から、猿にもなって
空はここで、雨が降っていた、夜はここで、本に栞を挟んだ

これから爪を切る、夜鷹の歌、辞めるには早い、太陽に飛べ
いつまでも届かなくても
落ちる、落ちて最後に上昇気流に乗る
耳にシルクのシーツをかけて
晴れたら白い窓枠に何を願おうかルーシー
夢ならどっか行こうぜルーシー
どっか、行っちまえばいい

2009/12/23
スポンサーサイト