活動

鳩 正義

Author:鳩 正義
Ghetto HP
Ghetto

出演-------------------
9/5@池袋adm

9/8@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

10/22@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

11/1@両国SUNRIZE

12月未明@両国SUNRIZE


チケット予約は下記メールまで。
連絡-------------------
メール

動画-------------------
悪童の乖

カウンター
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ

アパートメント

04 14, 2014 |

そこは、乾いた空気で息を吸うと埃とカビの匂いのする部屋だった
俺は、そこにある錆びついた梯子に取り付いて、足をかけて、壊れるのを待った。
天井からぶら下がった、架線から外れた電線に水が結露して、滴り落ちた。
そういえば、あなたの名前はなんだったろうと考えて。
違う人の名前を言いそうになるほど、俺は間抜けだ。

最近は脚本に俺の名前が載っていない。
俺は自分が何が欲しいのかを思い返して、枯れた思考の使い先と。
過ぎ去って失った純潔だとか、そういうのが欲しいのだと結論付けた。
綺麗ってなんだかよく分からない。
ここへ来ると、分からなくなる。
望んじゃいないし、好きでもない。
俺の足元に腐った蛙の死体がいつもあるのは、俺が殺したからだ。
だから今までも、これからも、そいつはずっとここにある。
爪を噛んで血が出た、有刺鉄線の棘が刺さって血が出た。
でも何も言う気がしない。

肝心なことは何も言わない、分かってくれなさそうだと勝手に決め付けてはぐらかす。
言いかけて、ちょっとでも理想と反応が違うと、すぐに諦める。
そういうのはもう辞めにしようとして、アパートのベランダで泣きそうになった。
そいつは迷惑なだけで、本当に鬱陶しいだろう。俺もされるまで気付かなかった。
言わないのは、言う必要が無いのか、言いたくないのか、言うことが無いのか。
無い。俺には何も無い。サイコロを振らなければ出る目は分からない。
分かるまで分からない。
そいつは真理で幾度も体験してることだというのに、自分を誤魔化して、傷を深くしないようにする。
俺はそうだった。でも辞めた。あなたはどう?

僕はただ、粉雪が落ちていて、そいつを綺麗だと思って、そこに広がる、血と。
アンモニアの臭気がする理科室の窓から手を振っただけ。
僕は孤独だった、笑っちゃうほど孤独だった、笑った分だけ孤独になった。
そして僕はよく笑った、この世は、僕にとって面白かったから。
あのまま行ってたら、僕は死ぬまで笑ってたんだろう。その終わりも、すぐに来たんだろう。
暖かいはずなのに、骨の芯にツララが突き刺さったように、冷えるのはなんでだろう。

僕は誰かを理想化せずにはおれなくて、知れば知るほど、みな、理想と違う。
この人が僕に抱く理想をすぐに推測して、それを演じるほどに。
嘘が増えて、僕にも何が嘘が分からなくなる。
嘘も次第に本当になっていって、僕は後戻りができなくなってしまった。
僕は役者なんかではないのに、何故演じてしまうのだろう。
時折、糸が切れて、操り人形の僕は、どうしたらいいか分からなくなって。
ただ息を呑む、それから視線を地面に向けて、ボンヤリと、自分の足が地についているという。
曖昧で僅かな繋がりに安心する、そいつは、癌に風邪薬を飲むようなものだ。
効くようで効くはずがないってこと。

この手に初潮の匂いがして、鉄のスプーンをかじった様な気になるけど。
俺はいつまで経っても貧血だ、みすぼらしいのは頬がこけてるのと、あと、なんだ?
俺は曖昧にしすぎた。境界を曖昧にしすぎた。
ドロドロに全てが溶けて、何もかも沈んでいく。底にはガラクタが沢山落ちている。
潜水艦で回収して、水を入れ替えて、酸素を吹き込んで、アクアリウムは復活するだろうか。
まだ足りないものが一つあると思う。
僕は俺にならなきゃあならない。いつか、きっと。
身体の温め方を俺は知らない。

2010/01/25
スポンサーサイト

« In the end デリンジャー »