(アパルト)ヘイト

川の堤防を二人で歩いた
風に遊ばれるあなたの黒く艶のある髪を見ていた
このまま俺たちは死ぬんだと思った
木炭の匂いがする指を愛でていた

枯れ葉を踏みしめながら嵐が来るのを待った
雪が降って街が灰みたいねとあなたは言った
濃くなった目の隈を撫でながら煙草のフィルターを噛んだ
冬が過ぎたら海へ行こうと言った

花びらの中で繋いだ手を離した
それだけで体や魂がバラバラになっていく気がした
白いワンピースに麦わら帽子を被った少女が俺のそばを駆け抜けていった
いつかあの子も無為に花を千切られ枯れるのだろうかと言った
願わくばそうでなければいいのにねと
いつか無為に千切られたあなたは悲しそうに言った

海を見ていた
白いカイトが波に飲まれていった
白い飛行機雲が青空を二つに割った
白いグライダーが誰かの手元を離れて飛んでいった
いつしかあなたもああなるのだなと思って
俺はここに埋もれていくことを選んだ
海を見ていた
それが終わると気付くまで
ずっと、見ていた

2010/08/07
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