赤い自転車

 赤い自転車を買った。
 自転車に乗るのは大体一年振りだ。太ももがパンクしている。
 折りたたみの奴を買った。小学生の頃、僅かな期間、折りたたみに乗っていた記憶がある。あれはいつのことだったか。
 お前も折りたたんでやろうか!
 初めて防犯用にチェーンも買ったのだけど、僕はふと思う。自転車を盗まれることよりも、サドルの代わりにブロッコリーかパセリが刺さっていることよりも、勝手にこの自転車が折りたたまれていた方が、きっと悔しいだろうと。悲しいだろうと。
 僕以外の誰かに、たたまれてしまったのか、お前は……そんな風に思うだろう。まるで浮気現場を見てしまった、それもゴミ箱に覚えの無いコンドームが捨てられてることで気づく、そんな気分か。

 だって折りたたみ自転車だよ。
 折りたたみ自転車が折りたたまれる。これはもう、体の芯が融合するような行為に他ならない。人間が折りたたみ自転車を前にしたとき、それはつまり、折りたたむ側と折りたたまれる側でしかないのだから。漕げよ。
 そう思うと、駐輪場でお高くとまっている折りたたみ自転車どもを、軒並み折りたたんでやりたい衝動に駆られる。盗むことを考えるよりも、後ろめたい気持ちになる。インモラルの香りがする。
 一体、相棒を勝手に折りたたまれた人はどう思うだろう。なぜ、折りたたんだのか。なぜ、折りたたむだけにしたのか。なぜ、俺のチャリを。そんな風に思うのだろうか。それとも僕のように、黴臭いティッシュを目の当たりにしてしまうのか。
 駄目だ! 僕には出来ない! そんなことは無理だ! 僕に出来るのは、自転車を漕ぐことだけ、そう、それだけさ……。←涙キラキラのエフェクト

 赤い自転車を買った。なんとなくお高くとまっている自転車だ。
 僕の可愛い自転車です。

 最近はどえらく頭がクリアで、何もかもがよく見えるよう。
 そして何もかもが愛おしく憎い。前回のライブが良かったんだ。滑らかに生まれた。俺の目は黒い。一体何が怒っているというのか。
 僕は僕の前にどれほどの意思を見せてあげられるだろう。どれほどの美しいものを見せてあげられるだろう。
 いつだって僕は、あの頃の僕のために生きるのです。あの頃の僕、どんなものが見たい? どんなことが死体? どんなものが揮気体? どんな泡を割りたい?
 あの頃の僕に勝る僕はいないのです。今の俺に勝る俺がいないように。いつだって最前線だよ!


2014/04/24(木)
『夜桜を楽しむ会』

LIVE終了後、出演者、お客さんみんなで白山公園に移動しお花見を行います!
LIVEも夜桜も楽しんじゃいましょう!

open 18:00 / start 18:30  adv.¥1,000- / door¥1,200-
PG:GOLDEN PIGS

 時期に乗り遅れた頃、ようやく花見するんだけど、やっぱり桜はほとんど散ってしまっている。
 「あんまり残ってないね」
 「そうだね」
 っていう会話が好き。そうだね。
スポンサーサイト