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鳩 正義

Author:鳩 正義
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スタジオずぶり(下ネタ)

04 30, 2014 | カルチャー

 気がつけばこんな時間。折角だからブログでも書くか。
 今更レビューシリーズ、偏屈ジブリ、宮崎駿監督作品ぶった切り編。時系列。カリオストロ、未来少年は省略。
 映画に点数なんてくだらないけど、目安として10点満点で★=5点 ☆=1点

 風の谷のナウシカ ★★
 :当時、原作の無いアニメ映画というものは異例中の異例だったらしく、仕方なしに駿が原作を書き下ろした大作SF。「仕方なしに」のレベルではない。
 映画版だけでも作りこまれた脅威の世界観は他を圧倒するが、漫画版は悪いものでも取り付いてるのかと思うほどの作りこみ。いや本来はここまで込んでナンボなのだ。
 富野しかり庵野しかり、芸術の前に人間性なぞクソほどの価値も無い。同僚にとっては大迷惑なスカポンタンにしか描くことの出来ない世界というものがあるのだ。
 メーヴェ、コルベット、ガンシップなどの乗り物から、鏑弾や虫笛、ナウシカを代表とした風の谷、ぺジテ、トルメキアの民族衣装、鎧、それら全てに駿の趣味が惜しみなくぶち込まれている。服装の細々した部分にまで意味のある、生活観と機能美のデザイン。それらが圧倒的なリアリティとして襲い掛かる。「巨大な虫、毒の霧、深い森に人類が追いやられる世界」という、突拍子もない世界観が、そこを持って見る者の脳に顕在化するのだ。
 映画版のごく僅かなストーリーでも良いが、漫画版の、初期のベルセルク並に夢も希望も無いダークファンタジー×SF感がとにかく良いね。極め付けが巨神兵。アニメ界のゴジラよ。とんでもねぇ。
 上述の世界観、ストーリー、音楽は久石譲だし、作画は神だし、アニメ映画としては言うことないね。この頃はパヤオの説教臭さも押し付けがましくないし。

 天空の城ラピュタ ★☆☆☆☆
 :言わずと知れた冒険活劇。スチームパンク的な世界観を一瞬で納得させる鬼のオープニング映像美。
 空から女の子が降りてくる! これは天使降臨なわけだ。この荒唐無稽かつ、人類史の初っ端のエピソードをアニメ化したことは大変な偉業と言わざるを得ない。これを皮切りに、あらゆるアニメで女の子は空から降ってくるわけですよ。なんだそりゃ。
 滅びた古代超文明、海賊ならぬ空賊、謎の女の子、ロボット、追っ手の軍隊、飛行船、主人公は炭鉱都市の一少年。
 要素一つ一つとして見れば特別珍しいものはないどころか、アトランティスみたいなもんよ。海底二万マイル。そりゃナディアか。
 これらを二時間にぶち込むと、並の作品ならゴチャゴチャでまとまりのないストーリーになりそうなもんだが、少年の成長、恋心、父の背を追う気持ち、それらの普遍的な感情が物語に調性をもたらしている。
 これも作品の質として語ることはない。主題歌も素晴らしい。
 「君をのせて」よ? タイトルからして完璧やろ。心を切り裂くほど美しいメロディ。メロディにコード(和音)がある。こういう曲は名曲と相場が決まっている。特にエンディングでのアレンジは美しい。ちなみに作詞は宮崎駿だ。いい言葉を使う。詩人だ。
 この曲やたらと合唱で歌われるのが癪に障るね。小学校だかで俺もやらされた。この曲の主人公は沢山いるのか? 馬鹿言えっての。
 一人の人間の心情を、子供でも大人でもない半端な奴が大勢で歌うのか。とっととやめろ、そんなことは。いかに音楽的に壮大だろうと下らないね。

 となりのトトロ ★☆☆
 :このへんないきものは まだ日本にいるのです。たぶん。
 糸井重里のこのキャッチコピーに限るね。ちなみに、当初は「もういないのです」といった言い方だったそうだが、あまりに悲観的すぎるということで変更されたらしい。ビジネスは難しいな。
 小さい頃はメイがウザ過ぎて、ドンパチもないし、男の子としては退屈な映画だった。この年になると染みる。
 こういった話を「サツキとメイは実は死んでる」みたいにこじつけるのは、まァ楽しかろうとは思うし、それが活きる世界観でもある。でもぶっちゃけ悪趣味だよネー。
 公式が否定するのは良かったと思うヨ。作ったとき実際どういう意図だったとか、そういうのも、どうでもいいし。
 どうでもいいが、同時上映が火垂るの墓って、そこが凄いよ。

 火垂るの墓 ★☆☆☆
 :勘違いしてはいけないのが、別にこれはフランダースの犬的な苦難ではなく、清太の我侭が招いた悲劇に過ぎない、ということだ。
 どんなに世話になっている婆がクソ野郎だったとしても(ホントクソだけど)、節子のためを思えば我慢すべきだったし、家出するのはいいにしても、妹が栄養失調でおはじき食ってる段階でギブアップすべきだった。意地を張りすぎ、あるいは物の捉え方が近視眼的すぎだ。(そこら辺も時勢を上手く表現している気がするが)
 そして、それの何が問題かというと、具体的な解決法や方法論は提示せずジリ貧で倒れていく様は、現代のニートや孤独視する老人そのもの。別に本人が死ぬ分には勝手にすればいいが、そいつにとっての節子が死ぬわけだ。
 という点を初めから想定して描いている作品だと思う。なので高評価。戦争がどうこうより、青年期にありがちな、短絡的で他者を容認できない感情を生々しく描いている、と言った方が正しい。
 まァそれでも、はだしのゲンなどよりよっぽどこっちの方が心臓抉られるけどね……。

 魔女の宅急便 ★☆☆
 :パヤオのロリコン趣味が一番炸裂している作品。
 「男の子」を描いた作品がラピュタとするなら、魔女宅は「女の子」を描いた作品にあたるわけだ。
 この頃のパヤオのデザインする女の子が一番可愛い。パヤオの絵は一見古臭いようでいて、デフォルメが完成しているので、どの年代のどの世代が見ても古臭いということがない。いや、厳密に言うと、いつ見ても「少し」古臭い。このバランスが凄い。
 キモいエピソードも満載で、例えば、当初販促ポスターはトイレに座るキキ(無論スタンバイしている)だった。「色々とさすがに」で却下となったそうな。当たり前だよ。
 また、キキが途中で魔法を使えなくなるのは初潮のためだとか。初潮は象徴(駄洒落じゃないよ)として、つまり「女の子」ではなく「女」になる過程で、猫が喋るはずないし、箒で空は飛ばないし、という大人の階段上りかけてるわけだ。
 オッサンがそんな設定を考えると思うと、気持ち悪すぎる。
 原作ではロン毛らしいキキ。そのバージョンも見てみたい。俺はずっと外国だとなんとなく思ってたんだけど、原作日本なんだね。それでこの手触りは凄いなァ。

 紅の豚 ★★
 :パヤオの飛行機好きの趣味が一番炸裂している作品。
 もう言うことない。カッコイイとは、こういうことさ。人と人が向き合う、付き合う、愛し合う、ということをこれほど真摯に、丁寧に、穏やかで楽しく描いたアニメがあるだろうか。
 今までもこれからもきっと存在しないだろう。
 俺はこの映画が一番ジブリの中で好きで、というかアニメ映画の中でも1,2を争うほど好きだ。素晴らしい映画さ!
 銃をバカスカ撃ってるのに、死人が一人も出ない映画は駄目か?
 いいじゃねえかクソッタレ!!!
 尻の毛まで抜かれて鼻血も出ねえ。

 平成狸合戦ぽんぽこ ★☆
 :狸かわいい。
 はっ、適当に終わるところだった。
 いやね、エンタメとしてはハイセンスだし、よっぽどのクオリティよ。だけど、ここからパヤオのあの、アニミズムというか、ナチュラリズムが始まったというか。
 最後の一言なんかゾッとするというか。え、これ、ここまで出来る監督が言葉にしちゃったんだ、みたいなさ。あそこ本当に気味悪いよ。狸じゃなくて人間に化かされてる感じがさ。
 遊園地出るまでは夢見させてくれよな。出る前から現実に戻すなよ、という。それが嫌なら娯楽の枠でやっちゃいかんと思うヨ俺は。

 耳をすませば ★☆☆☆
 :ご存知、喪男(モテない男)大量殺戮兵器。「ただしイケメンに限る」が全面に出てるからね。
 ただまぁ、見れば分かるけど、イケメン聖司くんの出番はそこまででもない。
 しっかりと主人公雫が話の主軸で、この頃の女の子にありがちな悩み、無邪気さ、無神経さ、傲慢さを味わうことが本旨じゃん。
 イケメン度合いで言ったら、バロンと聖司の爺さんの方がブッチギリでイケメンなわけで。
 聖司くんはあくまで、雫の心に波紋を起こすための役割に過ぎないわけだ。エピローグの2ケツのチャリ漕ぎにしたってそう。
 ……いや、あそこは、そのー……確かに、何故かハートブレイクするけど。何故か。何故かね。何にかは分からんが。

 同時上映『On Your Mark』
 :チャゲ&アスカのPVやな。実はこれナウシカの世界の未来の話らしい。尺が短いので点数はつけない。
 チャゲ&アスカの歌が最高に残念(※好みです)だが、非常に美しい映像と、煌くバッドエンドが愛おしい。

 もののけ姫 ★☆☆
 :個人的には、「耳をすませば」よりこっちの方がイケメン無双だと思うんだが……。
 決め台詞が「生きろ、そなたは美しい」だぜ? どこまでイケメンならその台詞許されんねん。岡田か?V6岡田か?TOKIO長瀬か? いや、タイプ変わって三船敏郎か?
 飛んでる矢だって素手で捕まえるし。超人すぎる。さすがにここまで来ると話の構成力と要素だけで成り立ってるようなもんで、ナウシカやラピュタのような重厚な質感とは程遠い。自然が重厚ってこたァ確かにないけど。そういうことじゃなくて。
 なんとなく惜しいなと思う。全体的に。人か、もののけか、その対立と対比が話の肝なわけだけど、アシタカもサンも超人すぎてどっちでもないし。主役二人がどっちでもない段階で、それらは只の話のエッセンスで、彼らのロマンスを盛り上げるだけのどんちゃん騒ぎです、という風にも見える。(少し意地悪か)
 各キャラが立ちすぎてて、話の全貌をまとめ切れないという珍しい例。エボシ様をもうちょっと見たくもあったし、ジコ坊側の企みも詳しく描いてほしかったし。乙事主たちを代表とする、もののけたちの文化も沢山見たかった。
 せめて、もののけの種類くらいはもうちょっと出てもよかったんじゃないかなと思う。

 千と千尋の神隠し ★☆☆☆☆
 :賛否両論だと思うが、なんだかんだジブリ、宮崎駿のキャリアとしてはトップなんだろうなと思う。クオリティとしても。
 これまでに培われた隠喩や対比の技術がこれでもかと盛り込まれており、ありとあらゆるショットの一つ一つに深い造形美と風刺にも似た切抜きが描かれる。具体的には言わないが、アニメの枠を離れて「この二つの人物の対比は、援助交際そのもの」みたいに解釈できるような場面が山ほどある。それにどのような意義があるのかは置いといて。もともとそういうことを狙う監督だしね。
 多分みんな大好き、銭婆のところへカオナシと千尋が路面電車で向かうシーン。俺のあそこが凄く好きでね。さして目新しい表現ではないけれど、あの空間が丁寧に描かれてることに単純に感動するよ。あれはいいシーンだ。

 ハウルの動く城 ★☆☆☆
 :もののけ姫と千尋の間くらい。これも原作をまとめきれず、というか、もう伝える気ないやろ、分かるやつだけ分かればいいって作り方をあえてしたんだと思う。
 ヒロインのソフィーが作中で度々婆になったり若返ったり、という説明が全くなかったり、カルシファーが素直に言うこと聞いたり、カブが人間に戻れた本当に理由だったり。
 あれはソフィーが魔女だからです。しかもかなり強力な。本人は無自覚だけど。
 しかしこれを明かさないことには、ご都合展開にすら見える話なわけで……。
 小道具や色彩感覚が、それまでのジブリ作品と一線を画していることを評価したいね。美術的にジブリの最高峰だと思う。黒髪のハウル素敵。料理も輪をかけて美味そう。


 はぁ、疲れて最後流し気味に。もっとムラが出るかと思ったが、よくよく書きながら思い返すとやはり平均値の高さに目を見張るものがある。
 たまに「ホーホケキョ山田くん」みたいな、プロデューサー首じゃないのってレベルの作品もあるけど、それにしても、いちいち違う世界観と作品へのアプローチで、これだけのクオリティを生み出し続けることは並大抵のことではない。
 でもやっぱり、趣味が炸裂してる方が俺は好きだなァ。エゴや主張じゃなくて「趣味」ね。音楽はエゴも主張もごっつくていいんだけど、アニメはそのぐらいが一番いい塩梅だわ。本腰入れるよりも、まず楽しみたいからね。
 また紅の豚みたいな方向性で作ってくんねーかなー……もののけ姫×コクリコ坂で、葛葉ライドウ的な世界観だと主祖白いんですけど。いや、妄想に留めておこう……。
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