おにごっこ

片輪のケンちゃんは言った
辛いのは笑えないことじゃない
孤独なリョウくんは言った
夜の鳥になってもつまらないと

ここにいるべきじゃない
右へ寄ろう 朝まで待とう

成功を手にして笑うけど
成功は充実じゃないと疲れたヤクザが言う
金はないが愛はあるさ
雑菌はあるが換えの布無いさ
教会に住み着いたヨシノリは言う

ここからどこへ行くんだろう
少年の感覚は時が来るのを察知した
不意に消えたいでしょう
鳥になりたいでしょう
いつか僕に回る頃には
空は灰色になるんだよ

と ぼけていた爺ちゃんは言う
寝ぼけていた婆ちゃんは言う
命ばかりが可愛いはずではない
寒い寒いと嘆く方がいい
最 低 にはなれないよ
証 明 にはなれないよ
明るい部屋のナンバー汚れていた
窓ガラスだ汚れていた旅ガラスだ汚れ
ていた汚れていたよごれていたよ
ごれていたよ

内在するナイフ無いよと嘘を言う
旅人はまた来ると言って
いつまでも来ない忘れただろう
責めはしない堰を切るのさ
色素の薄い
子供の髪の色
普遍的な夢の跡の
僕には無い美しい
僕には無い 何もナイフ
最後の朝 火傷の皮膚を切り落とした
片輪のケンちゃんはありがとうと言った
嫌味ならよかったのに
そうじゃないんだろ
そうじゃないんだな

2008/11/28
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