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2014

XTC

CATEGORYたわ言
 久々に音楽の話。
 80年代のバンドはあまり聞かない方。
 この時代のUKサウンドは基本的に音の設計図がスッカスカで、8ビート一つとってもバンドごとの特色が強く、それと上物(ギター、歌、キーボード等)のアンサンブルでかなりのアクと個性がある。
 これが合致すれば異常に気持ちいいが、合わないととことん気持ち悪い。ダンディな声で歌うボーカルも多く、あれがなかなか俺は馴染めない。ボーカルスタイルだけでいえばやはり90年代オルタナサウンドが好みなのかな。
 というわけで俺が昔から愛聴しているのはPoliceとXTCなわけだ。他のバンドでもいいのは勿論多いけど、この二つは定期的に聞きたくなる。
 Policeはレゲエとパンク寄りのロックを掛け合わせたバンド。
 The Police - Roxanne
 フラム(スネアをスティック2本でほぼ同時に叩くやつ。タラッ、て感じの音)を多用する突っ込んだビートと、スティングのファンキーなベース、高い歌唱力が魅力だ。ギターも洒落ている。

 XTCは、ググれば分かるけどUKらしく滅茶苦茶ヒネくれたバンド。何もかもがヒネている。サウンドも歌詞もルックスも佇まいも売り上げも全部ヒネている。
 何が良いかつったら、一筋縄ではいかない楽曲と、それに対しグンバツすぎるメロディ。計算とヤケクソ紙一重でやってるんじゃないかと思うほど綿密なメロディに惚れ惚れする。その割にライブはやや雑で尚良い。
 XTC - Living Through Another Cuba
 まずは初期の名盤Black Seaから。へっぽこなベースラインと調子っぱずれのリードギター、振り切れてるボーカルの組み合わせが絶妙なナンバー。このアルバム自体、独特の暑さ、日本には無い「夏」感と独特の清涼感が心地良い。これからの時期にいいと思うヨ。
 ちなみにこの曲のスネアの音が俺は大好物。パコーン! みたいな。
 これは結構昔から言ってるんだけど、飽きない曲、聞けば聞くほど良さが分かる曲っていうのはベースラインがいいからです。これ絶対。
 音楽に詳しくない方にも一応噛み砕いて言うと、ベース(Bass)というのは単語の通り、曲中の和音の中で最低音を指し、これが動くとコード自体がガラッと変わる。例えばギターがずっとAのコードを弾いていても、ベースがF#を弾いたら、曲の和音はF#m7(エフシャープマイナーセブン)に強制的に移行する。ベースの力はそれぐらい強い。ボーカルもギターも全部ベースの掌で転がされてるに過ぎない。全然誇張してない。
 ベースがギターの和音を支えてるだけのクソつまらない曲は、最初聞いてカッコいいと思っても絶対すぐ飽きる。不思議なもので、これはベースの音が聞き取れない人でもそう。エルレなどのメロコア勢は例外なく全員そう。
 メロディと和音は当然ながら密接な関係、更にその中でのベース音となれば、切っても切れない関係なのだ。
 キャッチーなメロディと言うとよくビートルズが取り沙汰されるが、あれはメロディだけがいいのではなくて、ポールの弾いてるベースラインがイカれてるからメロディがより映えてる。
 まァ、そんなことは楽器やってる人ならみんな知ってる。常識。

 そこへ行くとこのXTCは、ベースラインがまたいいんだよ。うねるうねる。音がやったらと動き回るが、その中で無駄な音が全然無いという。
 この曲なんかがベースラインとメロディ、両方凄い。
 XTC - Mayor of Simpleton
 メロディとかどうなってんだこれ。どうやったら思いつくんだこれ。耳馴染みはいいくせに、やたらと覚えにくいのがまたヒネくれている。
 そしてベースのウネリとメロディの高揚感、幻想感の調和に耳を傾けたまえ。ベースの上昇感と下降感が、細部に至るまで曲の雰囲気を支配していることが分かるだろう。このコントラスト、音質に拘るのが馬鹿馬鹿しくなるほど気持ちいい。その上で音質に拘ると尚気持ちいい。
 この曲でベース聞き取れないって人は、まだ音楽を聴く耳が出来てないです。大げさでなく、音楽を10分の1も味わえてない。コンドームつけてオナホ相手にセックスした気になってるレベル。とんがりコーン指にはめたことないレベル。あとなんだろ。包茎。
 いや、マジで。趣味程度にしても、せめてもうちょっと鍛えてください。楽しいよ。損もしないし。
 まァ、楽器やってる人ならみんな聞こえる。常識。

 余談--------
 勿論ベースがリフ主体になって前に出てる曲もカッコいいね。Queenのコレなんかベースのリフの中じゃ最強でしょ。
 そしてこの曲もこのベースラインありきで、フレディのメロディありきですよ。
 よくベースがカッコいい曲、で取り沙汰されるMUSEのコレは嫌い。イントロは確かにカッコいいんだけど、これは何故か動き過ぎって思う。音色が良くないんだろうな。別にギターやシンセでいいじゃんって思っちゃう。メロディもダサいし。 
 余談終わり---

 特別XTCの中でも優れた曲、ってわけじゃないが、俺はやっぱりこれ好きだね。
 XTC-The Disappointed -Official Promo Video
 XTCを知ったキッカケの曲でもある。XTCの中では比較的素直な曲だ。が、こんな曲調なのに「失望」っていうタイトルなのがいいよ。ヒネくれまくってる。斜に構えまくってる。
 そういえば、バンド名のXTCは「エクスタシー」を暗号っぽくもじったものだそうだね。エクスタシーという肉感的な単語を、アルファベットの無機質な表記に変換するセンス。ヒネてるなァ。
 あとこの頃のバンドの特徴として、歌詞が良いんだよ! スミスとかジョイ・ディヴィジョンとかさ。そこらへんビートルズよりむしろキンクスの系譜だと思う。キンクスも元祖草食系みたいな歌詞だし。
 歌詞は意味なんかあってもなくてもいいんだけど、なんとなく「読んでみっか」と思って「うわすげぇ分かる」とか思った日にはもう虜だよ。
 XTCは造語多くて解釈に悩むけど……これだからヒネてる奴は!
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