The LONG GOODBYE

 ハードボイルド小説、フィリップ・マーロウシリーズの中でも有名、人気の「長いお別れ」。
 こちらがNHKにてドラマ化、初ドラマ主演に浅野忠信と。これは気になるなと思って見てみた。
 花火の時期にトレンチコートまで着込む季節感のない格好、煙草はマッチかガスコンロ、いちいち火傷しそうになりながらヤカンを火にかけ、子供に駄賃をくれてやり、雨の日にも傘は差さず、燃費の悪そうな車を乗り回し、無口で頑固、やけにコーヒーを飲みたがり、事あるごとにオシャレなバーで物思いにふける。
 なるほど、これがハードボイルドか……。
 汗っかきと貧乏人には無理な生活スタイルだな……。
 なんていうか、痩せ我慢だね。

 ハードボイルドは痩せ我慢だね。

 大人は大変だな。

 えー真面目に内容について書くと、話はほとんど原作どおり。
 違うのは舞台や登場人物が日本人、主人公の友人が逃亡する先は台湾、時代背景は戦後復興まもなく。
 俺日本のこの時代を描いた話、結構好きなんだよね。近代日本。金田一耕助とかかね。ゲームだけどシャドウハーツ、葛葉ライドウとかね。意外と無いんだよな。
 まずルックスが良いよ。学帽被ってたり書生が歩いてたり、ハイカラで和洋折衷ですっげーオシャレじゃん。ソフト帽や3点スーツのスタイルが、キチッと欧米のスタイルでありながら、日本人の体型に合っている、またいい仕立ての生地であるという。おまけにビシッと姿勢が良いから写真とかが映える映える。顔はでかそうだけどバランスが綺麗で格好いいんだよな。今の日本人って身長はビロビロ伸びても、色々と歪なんだなと気付かされるよ。
 はっ、話逸れた。
 あと違うところあるかな、、、大体そんなところだ。

 ファッションセンスやばいねこの映画。みんなすげー服着てる。その革靴、車より高いでしょ! みたいな。その帽子の値段だけでユニクロで全身揃えられるでしょ! みたいな。オープニングのカメラワークも素晴らしい。カウボーイビバップ並にスパイス効いてるね。
 そして浅野忠信が格好良い。完全に役得だけど。これは格好良い。仕方ないよ。もはや侍よ。この頑固一徹、その渋さ、ストイックさ、忠義、まさに侍だね。
 あと黒幕に金持ちの嫌なジジイがいるんだけど、一目で黒幕と分かる顔をしている、このジジイが「戦争で大事なものを無くしてみんな心が空っぽだ! その空っぽをテレビジョンで満たしてやるんだ! 頭を空っぽにして縋れるテレビジョンを与えてやるんだ!」みたいなことを主人公にまくしたてるシーンがあって、おおーと思った。これNHKだぜ。国営放送でこの発言は凄いよな。フィクションとはいえ。

 あんまり今まで触れたことの無い類の話だったので面白かった。こういうの楽しめる年になったんだなァ……今なら俺もタモリの駄洒落で笑えるのだろうか。
 それにしてもハードボイルドは大変だ。俺も見習うかな。いや、ソフトボイルドぐらいにしておくかな。
 カリッと焼けたサニーサイドアップ。でも黄身はトロトロで頼む。な。
スポンサーサイト