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2014

VIPRPG

CATEGORYカルチャー
 昔からフリーゲームをよくやる。
 俺がはまったときはコンパク全盛で、入賞作品はほとんどやった。お気に入りはリィさん。安定してクオリティが高く、ツクールのデフォルトはほとんど使わず、捻ったゲーム性が面白い。あと台詞回しが滅茶苦茶頭悪くて独特の味がある。定期的にホームページを閉鎖するから、たまにやりたくなったときに困る。
 フリーゲームは完全に趣味で作ってる人がほとんどなので(洞窟物語やシルバーセカンドみたいに足掛け商業の人もいるけど)、基本的に玉石混淆。その中でときたま商業ゲームには無い尖った表現や、真に人の心の汚い部分を描いた名作があって、そういうものに当たったときの喜びも一塩。
 中でもVIPRPGとは、2chのツクールスレで生まれる作品のことだが、これは本当に産業廃棄物か名作か、というくらい尖りまくっている。昔はラウンジ板(よくラウンコって言ってた)だったが、今は人口の変化からVIPに鞍替えし、ネーミングも付随して変わった。
 通常同封されているはずの起動ファイルを入れない、という謎のお約束がある。初心者お断り、ひねくれ方がまさに2ちゃんっぽい。
 ラウンジRPG時代の名作はなんといっても「夜明けの口笛吹き」だ。
 正直ネーミングは音楽好きの作者がただ付けただけなんだろうが、哲学的な台詞や世界観の異なる階層を旅するストーリーが印象的。言うまでも無くSAGAシリーズの影響が強い。
 このRPG自体は尖った作品というよりも、物語全体としての完成度の高さが話題を集めた。それまで結構あまりにベタだったりとっ散らかった話が多かった。
 一応説明しておくと、遊ぶにはゲーム自体のファイルとは別に、RTP2000という基礎データを別途インストールする必要がある。その後RPGツクール2000製の適当なゲームをダウンロードして、内包のexeをコピペすればいい。
 2000、2003、XPとツクールにもバージョンがあり、都度対応したRTPをインストールしないといけないので、最初はちと面倒くさい。

 あと出所が確かじゃないんだが、鬱夫の恋も俺は大好きだ。
 フリゲの中でも胸糞悪さ、後味の悪さ、不安感がブッチギリでトップクラス。
 あとで言及するが喪板の雰囲気がかなり強い。バクホンのJOKERが好きな人ならはまることだろう。俺がまさにそれだった。

 すでに私たちは地獄のまっただ中でした。
 これも面白かった。
 ジャンル:クソとゲロと愛に満ちた魂のRPG
 このブログのタイトルは実はこれをもじりました。
 この人の一年後の作品に「さよなら、モナーRPG。」があって、これもかなり面白い。
 が、そもそもゲームの中でもマイナーなフリゲ、フリゲの中でマイナーな2ch発のRPG、2ch発のRPGの中の一ジャンルに過ぎないモナーRPGに親しんでた、あるいは重度にして長期の2ちゃん中毒の人しか話の楽しみ方が分からない。
 10人中9人が毛嫌いして、1人が熱狂する。VIPRPGは大体そんな作風。

 そして最近喪太郎という人のRPGを一通り遊んでいた。結構面白い。
 喪板(2chのモテない男性板)の鬱屈とした雰囲気が色濃く反映されており、高尚で哲学的かと思いきや驚くほど下劣で品性が捻じ曲がっているという落差が凄い。
 また、何故か雀やペンギンなどの鳥類に尋常じゃない拘りがあるらしく、敵や味方でよく出てくる。おまけにその描写は偏執的だ。関係ないけどこの人の描くドクオが滅茶苦茶可愛い。俺はAAで一番ドクオが好きなんだ。コイツ→('A`)
 で、俺はドグマシリーズと銘打ってるRPGをやった。一言添えて紹介していく。

 【ドグマの箱庭】
 人類を敵視する存在「ドグマ」が世界を支配する、破滅的なお話。すでにチェックかかってる。
 おそらく作者が今までの人生で体験してきたであろう批判、中傷、孤独等が喪板的フィルターを通して盛り込まれている。
 しかし終盤に行くにつれて話は希望へと収束していく。この人の作品は鬱のまま終わるということはない。

 【引き裂かれたバダール】
 俺はこれからやった。ドグマの話はいったん切り離され、前述の「夜明けの口笛吹き」のように塔を上って幾多の階層を旅するストーリーになっている。元ネタは同様に魔界塔士SAGAなのだろうか。
 こちらはエログロ要素がかなり濃くなっており、タチの悪い冗談か悪ふざけかと思うほど話が破綻している。しかし困ったことにゲームバランスが整ってるのでプレイが快適、次はどんな酷い世界に行くんだと下賎な方向で先が気になる。
 単体の話として成立しているので、これだけやっても特に問題はない。作品の雰囲気もよく分かる。

  【アリスの標本箱】
 何故かゲームがダウンロードできないのでやっていないが、ポイズン・セレクションの主人公ポイズン(顔面障害者と称されるほど極度のグロメン・生活保護受給)
 ドグマ、バダールの続編。登場人物も繋がっているので、前作をやっていないと厳しいものがある。また、VIPRPGお約束の魔法擬人化、王様がポテチ中毒、アレックス(ツクールのデフォ勇者)のパロディのキャラが頻出するなど、前知識が多分に要求される。
 興味があったらこちらのWikiでも見るといい。「愛はさだめ、さだめは死」(SF小説じゃないぞ)、「ふしぎの城のヘレン」などVIP抜きの普通にクオリティ高い作品も紹介されている。ちなみにエターナるとは、大作RPGを作ると豪語しときながら、その製作が頓挫することだ。ねらーにはよくあること。
 話のテイストはドグマ寄りか。

 【アリシアのパンセ】
 バダール、アリスの登場人物の後日談、及び前日談。RPG要素はなくお話だけ。
 前作をプレイしていない人でも前振りやオマケを無視すれば楽しめる……か?

 【ゾーエーの共鳴箱】
 既存作の小ネタ集。悪ふざけの塊で、知能が低下すること請け合い。ある意味ファンサービスか。

 時間軸としては『ドグマ』→『バダール』→『ポイズン』前半→『アリス』→『ポイズン』人類滅亡、らしい。
 ポイズンセレクションやらせろよ。
 また、VIPRPG夏の陣にて最新作の【シューニャの空箱】が公開されている。ダウンロードも其方から出来る。まだ未プレイなのでレビューは控えさせてもらう。
 こんなところだ。フリゲは奥と業が深いぞ。
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