機材の話

 たまには機材の話でも。

 ロックとそうでないものの違いというのは、エレキギターがどうか、ということだ。
 で、エレキギターとは何かと言うと歪みだな。ディストーション。ギャーンッ!っていう音。
 初めてギター買って、アンプにも繋がずにチャランチャラン弾いたときの絶望感といったら。「コレジャナイ……」
 その歪みにも何種類かあって、大概は硬い音⇔柔らかい音、暖かい音⇔冷たい音、に分かれる。
 つまり硬くて暖かい音、硬くて冷たい音、柔らかくて暖かい音、柔らかくて冷たい音、の四種類だ。
 基本的に硬い、ということはイコライジング(音のバランス)でいうドンシャリ(低域と高域が際立っている)なサウンドを言う。柔らかいはその逆で、音域の強弱は緩やかということだ。
 冷たいとかなんとかいうのは、アンプ(※アンプリファイア。音響の増幅装置)には大きく分けてトランジスタアンプとチューブ(真空管)アンプの二種類がある。前者は基本的に機械的で冷たいサウンド、後者はアナログ感があり暖かいサウンド。
 エレキギターはアンプから音が出て初めて完成なので、ギターアンプとギターは一心同体だ。

 で、俺はどっちかと言うとアナログ系のサウンドが好きだ。つまり真空管。で、柔らかい歪みが好きだ。無論真逆の音も好きだが。どっちが良い、ではなく曲による使い分けだな。当然ながら。
 しかし、使っているのはJC-120。JCとはジャズコーラスの略で女子中学生ではない。トランジスタアンプの中では一番知名度と使用率が高いアンプだ。
 このポンコツアンプのいいところは、バンド演奏を前提とした場所なら、ほぼ確実に置いてあることと、アンプ自体の音色が没個性的というところだ。
 つまりJCを使いこなせたらどこでも自分の音が出せる上に、ギターの音に忠実でエフェクター(ギタリストの足元に置いてある玩具みたいなもの。ギターの音色を変える)のノリが非常にいいわけだ。
 没個性的とは言ったものの、癖がないわけではなく、というか、かなり強い。ハッキリ言うとダサい。コレジャナイ感再び。
 俺のギターがヘタクソというのもあるし、ギターとの相性もあるが直アン(ギターを直接アンプにつなぐこと)するとクソみたいな音しか出ない。ぺしぺししている。腰もない。粘り気もない。キレはある。しかし迫力が無い。ヘボすぎ。

 元々、昔のアンプでバカでかい音を出したら過大出力(オーバードライブという)で音が割れて(=歪んで)しまったんだけど、それを良しとして改良が加えられたものが今のギターアンプだ。先人は偉大。
 その歪んでしまった原因が、昔のアンプに必ず積まれていた真空管なのだ。その独特の音色は多くのロックキッズどもを刺激し、今でも真空管アンプ最大手のMarshall(マーシャル)及びその製品のマーシャルアンプはJCとアンプのシェアを二分している。因みにJCはRoland製。

 で、なんでMarshallじゃなくてわざわざポンコツのJCを使っているかというと、俺はめちゃめちゃエフェクターを使うから。
 最終的には超たけーストラトでマーシャルアンプに直アン、というのがロックの完成形だと思うし、理想なのだが、何分その超たけーストラトを買う金がないため、打開策として足掻いているのが現状だ。
 エフェクターのメーカー、製品の種類はそれこそ星の数ほどあり、個体差も激しいため宝探しのような気分になる。あと単純に見た目が色々あって、箱みたいなのを踏むと音が変わるっていう、そのギミックが楽しい。目で楽しい、耳で楽しい。
 いいエフェクターに出逢うと、どんなにギターやアンプがカスでも名器と化してしまうこともあり、その変貌ぶりもまたワクワクする。そういうエフェクターはちょっと弾くだけで、メキメキと作曲のモチベーションとインスピレーションが活火山よりも激しく噴き上がるのだ。そしてカーズは考えるのをやめる。

 まぁ今回は歪みの話だ。アンプに戻ると、アンプはさっき挙げたJCとMarshallが一番よく見るし、ユーザーも多いのだが、一応他のアンプも紹介する。品番まで挙げるとキリがないので、大まかにメーカーごとの特徴のみに留める。

VOX……真空管アンプで定評がある。出力が大きく艶のあるサウンド。中域に特徴があり音の抜けが良い。(バンドアンサンブルの中でもよく聞こえる)

Orange……名前の通りオレンジ色のアンプがお洒落。軽く歪ませてゴリッとしたサウンドで使われることが多い。実際派手に歪ませるよりも、クランチ気味(ちょっと乾いた感じ)の方が音に華がある。

Hughes & Kettner……ひゅーすあんどけとなー、と読む。これも真空管。メタル系のサウンドで、やや冷たく几帳面な印象。へたっぴが使うと音がキンキンして耳に痛い。ムダにヘッドがスケルトンで、中の真空管が青く照らされてる奴をたまに見る。中ニ病。

MesaBoogie……めさぶぎー。やや歪みの粒が粗く、暴れるような胴の太いサウンド。これもメタル定番か。

Fender……ふぇんだー。ギターメーカーのふぇんだー。ツィン・リヴァーブというJCのようにあまり歪まないアンプが有名だが、他のほとんどのアンプはむしろよく歪む。ツィン・リヴァーブはJCの上位版のようなサウンドと言って差し支えない。
 他のアンプはギター同様個体差が激しいが、粒立ちがよくファンキーな歪みに聞こえる。ちょっとローファイ寄りだな。

Line6……アンプシミュレーターという類で、要するに他のメーカーのアンプを真似するアンプ。また、エフェクターも多数内臓されている。
 アンプ単体でもヘッド(アンプの音を発揮する、そのアンプ自体の核)とキャビネット(直接音の出るスピーカー兼土台)に分かれるスタックタイプと、VOXやJCのようなスピーカーとヘッド一体型のコンボアンプとに分かれ、更にはコンボタイプでも別のキャビネットと繋ぐ変態もたまにいて、ヘッドとキャビネットの組み合わせ、おまけにエフェクターとの組み合わせは有象無象三千世界なので、それら全てを手軽にお試しできる利点がある。
 しかし再現率がいくら上がろうと、所詮は真似なのでこれを自前として使う人は滅多にいない。

 この調子で再びJCとMarshallも分析するか。

JC……音色は前述の通り、温かみもクソもないサウンドだが、エフェクターをよく使う人に重宝される。そういう人らからすると、もはやただのスピーカー扱い。ちなみにジャズコーラスという名前だが、ジャズで使う人は今や殆どいない。
 コーラスというのはエフェクターの一つで、音の位相をずらすことで独特のハーモニーが生まれる。これがあったからJCは売れた。しかしこのJCのコーラス、他のエフェクターのコーラスと発生のさせ方が違い、2つのスピーカーからタイミングをずらした音を発して空気中で混ぜて位相をずらすというとんでもないことをしているため、アンプの音をマイクで拾うPA(音響屋)の人泣かせらしい。
 大概のアンプはマイク一本で拾うため、そんなスピーカー二つ分の音を拾うのは苦労以外のなんでもないそうだ。大変だね。

Marshall……ギターのアンプといえばこれ。なんだかんだ言って色んなジャンルのギタリストが、特に理由もなく、あるいは異常なこだわりでこれを選ぶ。アンプ単体でよく歪み、またその音がいかにもエレキギター、って感じなわけだ。
 少し歪みの質が荒く、高域が飛び出しがちで、中域は、もうちょっとくれよ!って感じだが、如何せん全てのギターアンプの標準なので悪く言えない。
 あと見た目がいいよね。ヘッドはお洒落だし、キャビネットの上部がちょっと斜めになってるとことかさ。絶妙なバランス。名前と音の印象も似ている。丸みがあって気品と艶がある、みたいな。


 最後に、俺の好きな歪みをまただらーっと。言語が崩壊するので、特に誰が読んでも得をしない。
 キメが細かくまったりとしていて、艶やかさがあり広がりがある歪みが好きだ。低域は腹をパンチするようでいて、表面的には優しいがその実内臓を貫くような重量感があり、高域は耳をつんざくことなく音とコードの輪郭を鮮やかに彩って浮かび上がるよう、そして中域は滑らかに音の運びを支え低域と高域を紡ぐように優しく結びつけ、穏やかさと輝きと激しさを内包し、一度ミュートで刻めばサメの牙を彷彿とさせるような凶悪なリズム、ブラッシングすれば歯切れのいいストロークがハーモニーを両断し、ハーモニクスは誇らしくたおやかで張りがあり、

 ……やめとくか。

4/29(月・祝)
[WOODY LIVE]

The Hoh-Bose
Yugent
宇宙キャプテン
大宇宙超能力少年団
OPEN18:00/START18:30
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ヨロシク。
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