メロディ論 -リメロ-

 理論武装という奴が好きじゃない。
 何かを否定するときに「これは○○だから駄目だ」みたいな言い方が嫌いだ。厳密に言うと、嫌いな奴がよくやるから嫌いだ。
 そういう奴は何かを褒めるときも、せせこましくて鬱陶しい理屈をつけて理解した気になるから虫唾が走る。
 何かを褒めるときも、けなすときも、うっせーバカ!でいいんだぜ。
 うっせーバカ!
 が、名前をつけないと些か不便なときもある。
 名前というのは必要に駆られて付けるものであり、また、特に意味の無いものでもある。
 それを記号と言う。
 名前は記号だ。
 言葉は記号だ。必要に駆られて付けた、意味の無いものなのだ。

 というわけで今回は、巷のアホどもがごちゃごちゃと血迷っているメロディについて記号を並べよう。

 メロディはおよそ三つの種類に大別される。
 ・耳馴染みのいいメロディ
 ・耳障りのいいメロディ
 ・耳に残るメロディ
 の三つだ。
 言葉は似ているが意味は全く違うので辞書を引くように。
 この世に存在する最も賢く、もっともくだらない本、辞書を引くように。

 これを分かりやすく、わざわざ巷のアホが使う言葉に書き下してやると、こうなる。
 ・ポップなメロディ
 ・キャッチーなメロディ
 ・オリジナリティのあるメロディ
 ポップは大衆性に富む、キャッチーは和声的に合理的と理解してくれ。
 無論これはバッサリと分かれているわけではなく、一つ一つのメロディにトライアングルのパラメーターとして内蔵されている。
 RPGのステータスだ。ポップが攻撃力、キャッチーが防御力、オリジナリティが運だと置き換えると分かりやすいかな?
 無論これらはゲームじゃないので、操作するプレイヤーのステータスがモロに反映される。歌唱力と声質だ。同じ人間が歌っても攻撃力はコロコロ変わる。

 たまに言及しているが、この、ポピュラリティとオリジナリティの混同が音楽の文化に多大なダメージを与えている。
 アホがアホのくせに理屈をこねてるからだ。うっせーバカ!
 ここで、分かりやすく整理するために一つの概念を提唱したい。

 リフとメロディの融合、リメロ(Re-Melo)という概念だ。

 そもそも、音楽を語る上でリフという概念は最重要課題と言っても過言ではない。イントロが耳に残れば音楽は勝ちだ。
 ダダダーン! 運命。
 負けた……運命に負けた……。

 何の話だっけ。
 そう、リフ。
 僕の愛好するオルタナティブロック(面倒だから、その時代主流じゃないロックという意味で使わせてもらう)は、大衆に歯向かうロックという命題を掲げながら、常に大衆性を獲得する土台で戦っている。
 分かりやすく言うと、ロックが流行ると「ロックは死んだ」、パンクが流行ると「パンクは死んだ」、「グランジは死んだ」、「メタルはいつの間にか死んでた」「かと思えば生きてた」と言いたがるメンタリティだ。メタル好きの人はごめんなさい。
 流行り物に飛びつくのは嫌いだけど、実際めっちゃ気になるというのがロックとして最も健全な精神だと思うわけですね。ハイ。
 この二律背反と立ち向かいながら生まれる大衆性が、所謂リフなわけだよ。
 だからその辺、クラシックの中ではベートーヴェンが一番オルタナだなと思う。彼の曲は、クラシック(室内音楽)には珍しいぐらいリフ尽くしだ。はっきり言って疲れる。
 あと、印象派のサティやドビュッシーにもリフの精神が流れていることを余談で明記しておこう。

 リフが無ければロックじゃない!
 しかしメロディが無ければ音楽ですらない!
 この矛盾をコロンブスの卵的に解決したのがリメロ。メロディがリフになればいいんだ! 覚えやすいしカッコいい! 曲もゴチャゴチャしない! あったまいー! 省エネ! ま゛っ!!
 オルタナはこのリメロの宝庫、と言いたいが、ポップスも平気でリメロが多いから困る。
 ジョン・オズボーンのOne of usとか。
 スザンヌ・ヴェガのLukaとか。(僕はNo cheap Thrillの方が好きだけど)
 Blessid Union Of Souls I Believe
 The La's There She Goes
 Minnie Riperton Loving you
 Stevie Wonder  Isn't She Lovely
 Me & My Dub-I-Dub
 ミッシェル・ポルナレフ シェリーに口づけ
 a-ha Take On Me
 ABBA Dancing Queen
 Jimmy Cliff I Can See Clearly Now(映像はクール・ランニング。好きな映画だ)
 Jigsaw  Sky High
 サイモン&ガーファンクル Mrs.Robinson(スカボロー・フェアじゃないのがミソだよ)
 カーマは気まぐれとかね。
 どこに才能(金)が集まってるか分かりやすいですね。別に懐メロを紹介してるんじゃないぞ? リメロだ、リメロ。
 あと一発屋が多いのも気にするな。一発の花火がでかすぎただけだ。

 個人的に紹介したりないのでこの辺も、、、
 Jellyfish New Mistake
 Komm,susserTod
 ザ・ロータス・イーターズ The First picture of you
 ニュー・オーダー Regret
 The Style Council Shout To The Top(僕もこういうグラサンが似合う男になりたい、、、)
 Earth,Wind & Fire SEPTEMBER(映画「最強のふたり」のOPがこれでクソ上がった)
 The Flaming Lips  Race For The Prize(これはトランペットも唄ってるからね)
 The Cure Boys Don't Cry
 Elvis Costello Veronica
 Sixpence None The Richer Kiss Me(まぁ好きかと言われたら別に、、、こいつらのLa'sのカヴァーはクソ)
 The Boo Radleys Wake up Boo!
 Bôa Duvet(間奏が超いい。唄はどうでもいい)
 大江千里 夏の決心
 Lemonheads Mrs Robinson(サイモン&ガーファンクルのカヴァー。この手法の方が泣きが目立つ。PVは元祖花嫁をさらう映画「卒業」)
 R.E.M. Nightswimming
 疲れたからこの辺で辞めよう。気が向いたら追加すると思う。
 段々リメロ関係ねーじゃんっていうツッコミはやめてくれ。あ、うっせーバカ!
 リメロの前にはジャンルなど下らない。
 唯一共通するのは、鼻にツンとくる強烈な泣きが入ってること。(入ってないのもあるけど……)
 哀しさの中に明るさが、明るさの中にどうしうもないやるせなさが美しく内包されている。
 昨今乱用される「エモい」とかの言葉とは一緒にしないでくれよ?

 日本は歌謡曲の下地が根強いのでこのリメロが全く浸透しないが、ミッシェルなんかは大いにリメロだと思います。Syrup16gとかArt-schoolとかモーサムとか。
 あとポップスでは山下達郎と大滝詠一、たま。(たまは個人的にバンドというよりポップス)
 僕はメロコアが殺せるものなら殺したいほど嫌いなんだけど、もう一回言うけど、メロコア好きは皆鼓膜が腐りきって脳みそまで蛆が湧いてると断言できるほど嫌いなんだけど、彼らにはリメロというものが何一つ存在しないんだな、これが。メロコア好きの人はごめんなさい。バカめ。
 もっと言うと、昔からハイスタとブルーハーツ大嫌いなんだよ。もうね、ウザい。なんであんなのがもてはやされてたのか全然分からない。ブルーハーツはまだいい曲もあるけど。マーシーが唄う奴とか。あと歌詞は認めるよ。ハイスタがマジで無い。全く無い。

 これからは駄目なメロディを聴いたら「これはリメロじゃないね」って言って下さい。
 言われた方はうっせーバカ!って言って下さい。
 これで今回の先生の授業は終わりです。打ち切りだなこれは。
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