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鳩 正義

Author:鳩 正義
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9/8@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
「KANTA dAb dAb Japan Tour」(from Nepal)
21:00~

9/10@両国SUNRIZE
「両国ウルトラソウル ハァイ」
21:00~

9/28@両国SUNRIZE

10/4@両国SUNRIZE
※弾き語りでの出演

10/22@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

11/1@両国SUNRIZE
「両国SUNRIZE 8周年 初日!」

11/5@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

12/14@両国SUNRIZE
​「???」


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Low-Fi

05 18, 2013 | カルチャー

 最近あんまり書いてなかったから、また書く。
 ローファイについて触れる。
 ローファイとは正式にはジャンルではない。音質のことだ。Low-Fidelityの略。低音質ってこと。
 たまにLow-Hiって書き間違えてる人を見る。おそらく低予算、またはDIYの製作で曲の高周波の部分が薄い(いわゆる「ハイ落ち」)ため勘違いしてるのだろう。
 勿論ハイ落ち、ロウ落ち(ハイ落ちの逆)はローファイでは日常茶飯事のため、全く的外れというほどでもない。

 で、なぜローファイな作品が世にあるかと言うと、前述の低予算、という部分が大きい。
 ちなみにアマチュアバンドが練習をとりあえず一発録り、で、CD-Rをライブで配布、とは訳が違うので注意が必要。
 当然バンドマンは最初から金持ちというわけではなく、むしろやや貧乏くらいの人間が多い。反面CD製作というものは普通の人が思うよりかなりお金がかかる。プロの技術や機材が必要になるからだ。
 そんな音質に興味はねー!とか、とりあえず曲を聴いて欲しいから!などの理由で、金のないバンドが意図して、または苦肉の策として、知恵を絞って、なるたけ安上がりに作品を作ることでローファイが誕生する。
 一般流通するCDはいかに生っぽいサウンドを鳴らしていても、97%くらいはかなりの加工が施されており、原型を聞くとビックリする。しょぼくて。スーパーの肉がやけに真っ赤だったり、たらこは真ッピンクだったりするのとおんなじだ。実際は大して派手な色じゃないんだけど、その方が見栄えがいいから、という理由で加工が施される。
 結果、表面をなぞることが大好きなアマチュア日本人は、化学調味料たっぷりのソレに耳が完全に慣れてしまった。
 そこに一石を投じたのがローファイという文化なのだ。

 始まりは80年代、コンピュータやマイク、ミキサーなどの音質や音圧に関わる録音技術と機材がどんどんレベルアップしていき、それをポピュラー音楽の人たちがどんどん取り入れてレコード業界全体がハイファイ(ローファイの逆)の傾向に傾いた。
 結果的に生の音からかけ離れて、いかに売れるか、気持ちよくさせるか、人々の耳に印象付けるか、という争いになったわけだ。
 これに対してアンダーグラウンドのシーンが、やっぱり金が無いので音質的には大したことのないCDを発表する。
 で、90年代はアンダーグラウンドとメジャーシーンがひっくり返るという、トランプの大富豪みたいなことが起きてた時代のため、一部のローファイなCDもバカスカ売れる、という現象が起きた。
 代表的なバンドがPavementだ。そう、この記事はPavementについて書きたかったのです。

 惜しむらくはローファイやそのバンドの精神性ばかりが注目されていることだが、当然このバンドの魅力はそれだけではないのです。
 とりあえず一曲紹介するか。

Pavement - "Shady Lane"
http://www.youtube.com/watch?v=iY91hVZqhHY

 これでとりあえずローファイがどういうサウンドか分かってもらえただろう。まずこのPV!何これ!何が伝えたいの?なんでところどころムダに逆再生なの?なんでクロマキー?ムダにツインドラムだし、なんで曲の最初で車に轢かれ、なんで曲の最後では運転手もいないのに車が走って、、、
 ドラムはダイナミックさの欠片もねーし、ギターはへなちょこだし、ボーカルはへちょへちょ。音程もへったくれもあったものじゃない。
のに、良い!
 これが音楽ですわ。音質などでは決してない。

 まぁPavementの歴史はwikipediaでも見てもらうとして、そのメンタリティにまず注目する。
 ボーカルのスティーヴ・マルクマスがかなりクセのある人間で、基本的に世の中を小ばかにしている。
 売れたバンドを馬鹿にしたり、メタルバンドのとんがり頭を馬鹿にしたり、ロックで熱狂することを馬鹿にしたり、NIRVANAから始まった暗いハードロックを馬鹿にしたり、とにかく小ばかにしている。からかってる、と言った方がいいかな。顔からしてからかってる。そういう顔だね。
 ロックで熱狂することを否定してはいるものの、ライブでの彼らは非常に魅力的な笑顔で、奔放に振舞い、たまに演奏を投げ出し、アホみたいな奇声を撒き散らし、心の底から音楽を楽しんでいる。
 その緊張感の無さが凄く心地よい。ロックのある種のスリルとは無縁だが、音楽の本質を突いている。
 彼らの音楽にもその表情は色濃い。穏やかで美しい。どこまでも楽しそうで平和なのに、どことなくブルージーなリフが後ろ暗さや諦観を吐き出している。

Pavement - Major Leagues
http://www.youtube.com/watch?v=13DfvdeH-io

 この辺になると音質の悪さは大分改善されてくるが、それは商業臭さをまるで感じさせず、曲やメロディの美しさが際立つ。ローファイも良いが、彼らの良さはそんなところに留まらなかった。

Pavement - Live - July 14, 1999 - In The Mouth Of A Desert
http://www.youtube.com/watch?v=_U2E7h_OXE8

これは初期のアルバムから一曲。俺がPavementで一番好きな曲だ。切なさがたまらない。切ないなんて狙ってないし、思ってないんだろう。それなのに、どうしようもない辛さや儚さを感じるのは俺だけだろうか。

 個人的にゃあ、別に世のバンドが音質重視だろうが音圧重視だろうが構わない。俺には関係のない話だ。
 でもそれを金があるとかねーとか、そんなんでどーのこーのってのは嫌いだ。
 そろそろyugentでも音源製作に取り掛かっているが、まぁやれるだけのことはやるんだけど、音圧を稼ぐとかは特に考えていない。音圧どんなに稼いだって、クソな曲はクソだよ。
 逆に、いい曲はどんなにしょぼかろうがいいもんだ。どうせだから俺はちょっと味付けしてスゲー良くしたくなるけど。まだ子供だからかな。ちなみに今のとこ音源製作にかけてるお金は、練習の時間をちょっと割いたスタジオ代だけ。安上がりだ!
 俺のポリシーの一つに「やれるけどやらない」っていうのがあって、すげー努力してすげー見せびらかして、すげーって言わせる、この流れって最高にダサくね、っていう。
 「やればできる」じゃないぜ。凄技もな、そればっかだとつまんねーし飽きちまうのさ。超一流はチラッとだけ見せるのサ。俺はそういうのに痺れる憧れるのサ。
 一つの技だけでやり抜くっても勿論イカしてるけどな。要はこれもポリシーなんだよ。ポリシーはポリシーを否定しない。

 マジのオルタナミュージシャンと違って、俺は音楽でお金が稼げるなら、それでいいと思ってる。
 それだけの対価は十分払ったよなと思うし(出費じゃないよ)、それだけのものは作ってきたし、これからも作り続ける。
 でも必要以上に、例えばCDが100万枚売れて、印税がウッハウッハ、みたいな偶像にも違和感を感じる。そんなの嬉しいかな? 一般人がその肩書きに関心したり、感嘆したり、嫉妬したりってのもよく分からん。
 100万枚なんて、人間ってバカなんだな、ということを証明し続ける数字だと思う。音楽は偉大だけど、別に凄いもんじゃないんだよ。ましてや一人の人間を大金持ちにさせるなんて。
 俺は今仕事に割いてる馬鹿馬鹿しい時間を音楽に費やせたらいい、だからそれぐらいの儲けでいいな。大してひもじい思いもせず、豪遊もせず、人生を謳歌できるくらいのゆとりがね。

 誰かが真面目にやりだしたせいで、それまでみんなで楽しくやってたのに、急に白けることってあるよな。
 この世の中はそんなんばっかだ。しょうもねー。もっとTake it easyだぜ。Let it goだ。昔から言ってるだろ?
 ということに気付かせてくれる、素敵な音楽です。ローファイ。
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