ペーパームーン / 御法度 / 発狂する唇 / ビジターQ

 ペーパームーン
 可愛らしい映画、とっても。
 故人の家に聖書を売りつけるケチな詐欺師が、ひょんなことから身寄りのない女の子を連れて放浪するロードムービー。
 この女の子が実にいい。被った帽子や風貌が男の子のようで、いつもムスッとしている。でも笑うとコスモスのように可憐。
 そいでもって、煙草を吸う姿にやたら貫禄がある。

 二人の役者は実際に親子のようで、そのせいか演技や距離感が実にゆったりしている。
 多少の生きにくさはあるものの、人生がさほど煩雑でなかった頃の、清々しくなるような一つの思い出、道のり、そんな感じ。

 御法度
 大島渚は戦場のメリークリスマスしか知らんで、それでこれだから、もう、筋金入りのホモなんだなと思う。
 ベニスに死す、みたいな?
 松田龍平のデビュー作だそうだが、これで松田龍平の方向性や雰囲気、その他多くが決まったんだなと思った。

 話は簡単、新撰組に美男が入隊して、隊内にホモ旋風が巻き荒れる、それだけ。
 ホモな映画は幾つか見てるが、基本的にシチュエーションが男性的であること以外は普通の恋愛と、そのこじれに過ぎないと感じる。
 それはまぁ理由は簡単で、男だろうが女だろうが惚れたらさほど変わりはしない、というそれだけだろう。
 強いて言えば男同士の方が、むしろ女々しいなと痛感する。恋に臆病、そして素人なのは常に男の方かもしれないね。

 発狂する唇
 B級映画。ホラー、エログロ、オカルト、カンフー。由緒正しいクソ映画だ。
 全編大人の悪ふざけという感じだけど、後述のビジターQの後に見たので僕にはかなりスベってた。完全に対バンに食われた状態。
 この手の(おそらく恣意的な)素人臭さや作りの荒さは、何人かで見てツッコミ入れまくって楽しむのが一番正しいと思う。映画館とか、飲みながらとか。
 だから、まぁ、僕がB級映画を楽しめることはない……。
 まぁ、邦画にもこういうのが幾つかあると思えばいいのかな。

 ひたすら撮りたいものを撮った! という感じがして、そこは好感が持てますね。
 金は無い、手の込んだことは出来ない、使えるものはなんでも使う、無いものは無いなりになんとかする。
 結局のところ熱意や鋭さ、作風ってのはそういうところに表れるよね。

 ビジターQ
 ニュースキャスターだった父が、とある事件で職を失ったことを皮切りに家庭は崩壊。
 娘は家出、おまけに前述の父親と援交、息子は学校でいじめられ、その鬱憤を母親に暴力としてぶつける。
 その母親は薬とそれを稼ぐ売春にズブズブ。まともな奴が一人もいない。
 そんなサイコファミリーに、ちっとも人助けなんぞしなそうな勝手な男が一人住み込む、家庭はどうなるか、という。

 これはエログロ特化だなぁ。発狂する唇よりアバンギャルドだね。
 ただあんまりグロくはない。むしろ結構笑える。屍姦や近親相姦、搾乳やらSMやらの、出来の悪いそれらが画面で暴れる。
 コントそのもの。
 やや説明不足な感じもいい。
 結局なんなんだ……? というのは終盤になると沢山あるが、何故か終わった後飲み込めてしまった。
 あとエンディング曲が何故か結構いい。
 水のあぶく/REALTIME
 

 ただ好きかと言われると、そこまででも……という感じ。僕やっぱりアカンかも。
 楽しみ方はなんとなく分かるけど、虚しさが凄い。
 まいいか。

 最近僕の脳みそは何も食べていない。
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