31
2013

bloodthirsty butchersに寄せて

CATEGORY日常
 bloodthirsty butchersの中心人物、吉村秀樹さんが心不全で亡くなったというニュースを聞いた。
 別にこうまで記事を書くほど好きでもなかったんだけど。
 「七月」がとにかく好きでね。というか、kokoronoというアルバムが。
 音楽とかいうものは不思議なもので、どんなに好きじゃなかろうと、「これは名盤だ」という感覚はビビッと来るわけ。ピストルズとか、クラッシュとかビートルズとか。全然知らん奴が聞いたって、感覚さえ鋭ければ「こんなもの、生涯でそう何枚も聞けるもんじゃないな」っていう。
 間違いなくkokoronoは日本のオルタナシーンにおいて、そういうアルバムの一つなんだ。

 bloodthirsty butchersというB級ホラー映画じみたバンド名といい、あまりに神経質で臆病にかき鳴らされた爆音や喪失感は、その存在そのものがオルタナを体現していた。
 田渕ひさ子(ex.Number Girl)加入後、加入前で賛否分かれるところだが、俺も断然加入前が好きだ。というか、加入後の音源はロクに聞いたことが無い。
 別に田渕ひさ子自身は好きでも嫌いでもない。ナンバーガールではいいギターを弾いてたように思う。しかしそんなことは問題ではなく、そもそも吉村秀樹さんのスタイルにリードギターなんかいなくても成立するというか。
 それならスリーピースのもっと向こう側を見せて欲しい、という願望も俺のようなリスナーには存在するだろう。
 音源で聞いたときに、ギター二つ鳴ってるとか、三つ鳴ってるとか、そんなことはどうだっていいんだよ。違うフレーズが重なってようが。でもビッグ・マフっていう名器がギタリストの足元に存在する限り、そういった矮小ないざこざは吹っ飛ぶわけ。

 吉村秀樹さんが死んだことで、bloodthirsty butchersが死んだというような言い方をしているが、まぁそうだ。日本のオルタナシーンに大きな風穴が開いたんだな、と実感する。
 バンドとしての知名度は、一般人は知らんが、耳ざといリスナーなら皆知ってる、というなんとも半端な立場ではあった。オルタナってのはそういうもんだからね。
 その存在感もそうなんだけど、何よりも数少ない「オリジナルの怒り」を持った人がまた一人いなくなったことを寂しく思う。

 親近感というほどでもないけど、なんというかな。俺が例えばぐちぐち怒り狂って、くだらない罵倒なんかを吐いてたりして、それと同じことをこういうシーンの人は、堂々と語ってたりするわけだ。より鋭い形で。
 それは俺の代弁とかじゃねーよ。そういう初心みたいな気持ちをずっと持ち続けて、冷やさず、絶やさずその炎を燃やしていたってことだ。初期衝動なんかじゃない、嘘じゃない、インチキじゃない、ずっとこのままやってたっていうスタンスだから突いて出る言葉だったろう。

 駄目だな、大したこと書けないな。大したこと書きたいわけじゃないけど。
 「なんだそれ」って感じなんだよ。
 なんだそれ。今死ぬの? なんで? まだじゃん、全然まだじゃん。
 むしろこれからじゃん。
 悲しくもないし、嬉しくもないし、楽しくもないなー。
 どんな人か知らないけど、ドキュメンタリーDVD見ればちったぁ分かるだろうってのも悔しくて、全ッ然見たくねぇけど、腹立つよ。なんだか。なんで死ぬかな。俺まだ会ったことないんだけど。

bloodthirsty butchers - 7月(July)
http://www.youtube.com/watch?v=KzL35D2hdlE

 俺はtiger!tiger!tiger!がこの曲に負けてるなんて思ってないよ。むしろ勝ってるし。
 そう思ってたんだよ。ふざけんなよな。
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