陶酔(3~5月中旬)

 「久々にいいバンドを観た」という感想を貰うことが多い。
 不思議なことに、性別や世代に関係なくそう言われる。
 自分のことを褒められても素直に受け取れないことが多いんだけど、メンバーの功績があるからバンドを褒められると素直に嬉しい。
 が、実際のところ何が一番嬉しいかと言うと、「久々に」の部分。
 この言葉が意味するところは、実際自分達がいいかどうかは置いといて、
 「再びいいものに巡り合う為に、あなたはずっと探すことを辞めず、そしてついにいいものに触れたとき素直にいいと言える、そういう感性を守り続けてきた」ということだと思っていて、そのひたむきさと誠実さが嬉しい。
 褒められたときは、内心その点を指して「ありがとう!」と返している。
 「素敵なものが欲しいけど、あんまり売ってないから」って、なんだかいい歌にもあっただろ。

 それでなくても、Ghettoのお客さんたちは日頃からライブハウスに足しげく通う、ライブハウス自体が好きな人が多い。
 好きなバンドのためなら距離も気にしなかったり、話しかけるの得意じゃないけど声かけてくれたり、好き嫌いなんか気にせずイベントの頭からケツまでしっかり全員楽しんだり。
 みんな本当に音楽が、バンドが好きなんだなって感心する。感心してる場合ではないが。

 3/20@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR:「月凍」
 Ghetto春休み期間ということで、この月はライブ一本に。
 対バンで仲良くなった人と飲んだり、先輩と飲んだり、常連さんと飲んだり、飲んだり、新潟行って旧友と飲んだり、飲んでばっかじゃねえか!!
 この日はGISIRI、クロメ、PAPAPAとヘブンズでよく名前を見る人たちが勢ぞろい。
 プロレス、キワモノポップ、俺等、歌謡ロック、女装と変態パンク。三連休最終日、ライブハウスに来たなぁ、という感じ。
 心機一転のつもりでノーMCで演奏に集中しようと挑んだが、個人的には鋭さが足りず反省点の多い日となってしまった。
 桂木ヤコブソンas鮭オーケストラのアクが凄かった。とにかくMCが。あれは笑った。
 Ghetto Chapter 52:「月凍」
 1.MADARA
 2.ORPHAN
 3.MOON
 4.RUST
 5.悪童の乖
 6.OIL

 4/4@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
 急遽代打で亮弦が出演。ソロは約2年ぶりに見た。そのときは正直「ギターは天才的に上手い、曲もいいけどライブじゃない」ちゅう感想だった。
 が、やってることはあまり変わってないのにこの日は強烈に良くなっていた。なんだろう。まぁ事情は分かるけど、俺そういうのは無視するから。覚悟なのか月日なのか。
 決めポーズがとてもダサいのだが、それすら格好よく見えてくる。
 Ghetto Chapter53:「春と修羅」
 1.DAWN
 2.MADARA
 3.ORPHAN
 4.OIL
 5.ペレストロイカ
 この日は春休みを終えた川サキがより凶悪に進化して、全体のサウンドがグググッと底上げされた。
 うかうかしてられんな、と気を引き締める俺であった。

 ※「わたくしといふ現象は
 仮定された有機交流電燈の
 ひとつの青い照明です(あらゆる透明な幽霊の複合体)

 Ora Orade Shitori egumo...」

 4/13(木)東高円寺二万電圧
 「花鳥風月 第8想」
 波流乱満地獄変(はるらんまん・じごくへん)と二万電圧の共同企画。毎月開催されていて、乖離。がレギュラー出演している縁で。最近gloptinさんも合流したらしい。
 想像以上にノイジーな出演が多かったが、一番手の犬風が結構よかった。ピアノのように美しいクリーンサウンドと、ファジーなサウンドとをテレキャス一本で再現する弾き語り。歌い方は終始がなっているが、時折、清志郎を連想させるような感じ。
 全部犬の歌という、なんとも男気のある姿勢。個人的には少し単調に感じる部分もあったが、とにかく気迫と緩急が凄まじかった。ただ、もう一度観るとなると疲れるだろうなぁ。
 Ghetto Chapter54:「未来を選べ」
 1.RUST
 2.MADARA
 3.悪童の乖
 4.DAWN
 5.OIL
 時間が押してたこともあって、全速力で駆け抜けた25分。
 Ghettoはチューニング中や演出上無音の場面で誰かが喋るとキレるという、観客からすると理不尽極まりないバンド(たまに折れたスティックも飛んでいく)なので、この日も半ギレしつつ〆。
 それまで二万Vに出てそう、とよく言われていたので、ついに電圧かー! と思った。さすがというかなんというか、メチャクチャ音が良かった。酒はやけに濃かった。
 人が変わっても場所が変わっても、ハードコアの血がまだ残っているのかも。

 5/2(火)大宮ヒソミネ
 久々の県外遠征。ステージの美しさは度々SNSで見ていたが、生で観ると本当に凄かった。
 一番手のTia Rungrayさんは、音響(PAさん)も兼ねての出演。リハしてもらってるときから(この人絶対オタクだな)と思ってたけど、やはり音へのこだわりは驚異的だった。
 初めて観る二面のプロジェクションに、煌びやかで静謐なピアノ、そして轟音が重なる。ライブ前にも関わらず、危うく感動しかけた。胸打たれたなぁ。
 二番手のWolf Creekは、ノイズとシャウトし続けるボーカルの二人組。耳を消耗してしまうので外でモニター越しに、終盤だけ肉眼で見たが、途中でいきなり鼻血を噴出して、女子トイレに突撃してライブが終わった。事件のレベルで床が血塗れになった。
 どっかにぶつけたとかじゃなくて、本当に突然出たみたい。この日の前もやったそうだ。どんだけの気合でやってんだ。
 なんと高校生らしい。俺、その年頃の時あそこまで怒ってなかったなぁ。若さって凄い。
 三番手はGhetto。
 ヒソミネさんからは以前も話を貰ったが、春休み中だったのでパスしてた。
 すると3/20に、以前越谷でライブした時に初めてGhetto見た人が遊びに来てくれて。
 「また埼玉も来てください!」って言われて、丁度またヒソミネさんからお誘い貰ってたから早速行くことにした。
 バンドマンはこういう言葉に弱いんですよ。
 で、別にその方が来る来ないはどっちでも良かったんだけど(自分から誘うことしないし)、この日も遊びに来てくれた。最高かよ。
 最後のPot-pourriさんも随分オカルティな音楽性で面白かった。越谷でも思ったけど、埼玉って下手したら東京より濃いよね。
 ベッドタウンの抱える闇か、それとも別の何かが作用してるのだろうか? 埼玉出身の人間がいたら深く聴いてみたいもんだ。
 Ghetto Chapter55:「しとやかな獣」
 1.ペレストロイカ
 2.ORPHAN
 3.MADARA
 4.RUST
 5.MOON
 6.OIL

 ※「動物は何をやるにも自然の姿そのもので綺麗だけど、人間のやること為すことは取り繕ったように不自然で醜く感じる。
 けど、唯一人間の祈る姿だけは美しいと思う。もし何もかもを失くしても、祈ることだけは出来る。
 きっと叶う。あなたの祈りが、いつか叶いますようにと、俺は祈っている……」

 5/16(火)三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
 久々の1969!前回の衝撃が凄くて、この日も楽しみにしてた。前のバンドが爆音系で、音圧や迫力って意味で最初苦戦してたけど、個人的には尻上がりに良くなってるように感じて盛り上がった。
 早めに終わろうとするから、後ろから「やって!やって!」と駄々をこねてしまった。それが聞こえたかは分からないが、最後にやってくれた、パープルヘイズを引用した曲は最高だった。
 音楽の野性に目覚めた感動って、オマージュでもパロディでも、その魅力には勝てないやって思う。勝たなくていい、思う存分ぶちのめしてほしい。
 その後Ghettoは今年一番じゃないかってぐらい、ぶち上がったライブをかましてしまった。時々こういうことがあるから辞められない。
 全ての歯車が嚙み合うような、そういう奇跡的な瞬間があるんだよな。最前は雄たけびや踊りに乱れて、最高だったな。
 完全に支配してたってリドさんに言われたけど、それもやっぱり、紐解くと俺等の前に演奏した人たちや照明さんの演出だったりのエネルギーがその場に渦巻いてるからだと思う。
 この日もMC中の「鳩ー! 鳩ー!」っていう歓声が煩くてキレそうやら笑いそうやら、だってそれが知り合いという。
 知り合いが一番の敵というのはよくあることです。ハハハ! いや、勿論自由に聞いてもらっていいんですけどね。あれには参ったな。
 Ghetto Chapter56:「サンクチュアリ」
 1.ORPHAN
 2.MADARA
 3.RUST
 4.ペレストロイカ
 5.OIL
 6.DAWN

 ※「昔、日の出てるうちは外に出られない、何かが足りない子供が夜遊べるように、夜になったらお化けが出るから早く帰れって言いつけが出来たんだってさ。
 その何かが足りない子供が夕暮れに遊ぶ姿が、妖怪に見えて言いつけは本当になった。
 夜ライブハウスに集まる俺たちは、もしかしたらその、何かが足りない子供たちの子孫かもしれねえな……」

 「俺はバンドが好きだ。
 ライブハウスが好きだ。
 ここは、何かが足りない俺たちの最後の聖域だ。
 夜の子供たちの合言葉は”かなしみ”。
 明けない夜を」

 「I need a gun , You need a knife.裏切りの果て
 何を失っても、この子は守るから」

 【次回予告】
 2017/05/31(Wed)池袋Adm
 さだぼーpre「誰かの所為にして 」
 出演:
 志万田さをり
 Ghetto 19:10〜
 the afterglow
 アスカとタケシ
 Un traum
 ヒステリカヒストリア
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