プラマイ

 曲に限らずモノヅクリから学ぶことは多い。
 一つ取り上げると、物事をややこしくするのは簡単だけど、簡単にするのは難しい、ということだ。
 難しくすることは、案外難しくないわけね。
 究極を言うと、本当に凄いのは「これ、誰にでも出来る……」って思わせることなんだ。
 例えばギターにはリフというものが存在して、楽曲の中で何度も繰り返される印象的なフレーズ、という意味なんだけど。
 これがややこしいと、最初はすごい、かっこいい、ってなるけど、絶対いつか飽きるわけだ。
 結局のところ一番愛されるのは誰にでも弾けるようなリフなわけ。
 エレキっ子が最初にギター持つと、やっぱりスモーク・オン・ザ・ウォーターとか弾くわけよ。20th century Boyとか。アイアンマン(サバス)とかハートブレイカー(ツェッペリン)とかね。なぜなら簡単でかっこいいからさ。気分も味わえるし。
 ここがネック!
 シンプルイズベスト。耳に残るんだよ、こういうリフは。覚えやすいから。弾けたら愛着も湧くし。そして胸躍る。
 俺はどうしても単音リフって、どっかで心折れるから(だって絶対完コピできないんだもん。簡単すぎて。意味分かる?)好きになりきれない部分があるけど、それでも畏敬の念は禁じえないよ。
 60~70年代はこういうリフをバンバカバンバカ作りまくりやがって、おかげで現代、することないんだよ。全く、昔の偉人たちはやってくれたもんだ。

 一体どうしてそんなシンプルなのに彩り豊かで、飽きが来ないのか。感覚で分かっても頭で分からないんだから、不思議なもんだ。ロックはハートっていう、もうこの言葉通りなんだろうね。やれやれ。
 しかし日本のロックで耳に残るリフというのは非常に少ない。何故か。
 それは日本人が感動するポイントは、手数だからだ。手間。
 対してメリケンやイギリス野郎はコンセプトに感動する。
 って最近勉強した。

 体感として、実際そうだなと。俺は常々アイディア勝負!と思って色々戦いに挑むんだけど、どうにも反響が悪い。ごく一部に良い。こだわるポイントが違うからなんだよね。
 たまにニュースとかにも出るじゃん? 紙で作った超大作、ダンボールで作った超大作とか。伝統工芸品なんてまさしく手数だね。とにかくやたらと工程が多い。
 別にムダだとは言わないよ。膨大な時間を費やして、よくまぁ細部にまで神を宿らしたもんだ、と感心する。
 けど、なんだろうな。それって努力すれば、誰でも出来るよね。おまけにその努力は、道具や技術が発達すればどんどん省いていける。
 つまり、日本人が感動する手数は、時代と共にどんどんインスタントになっていくんだよ。今でもそう、その傾向はどんどん濃くなっている。
 CDの音質などもいい例で、昔は多重録音とか、テープをいちいち巻き戻して重ね録りっていう、時間もかかるわ手間もかかるわで、まぁ大変だったと思うけど、今じゃパソコンのキー一つ押すだけで何度でもやり直しオッケーだからね。おっそろしい。

 俺も膨大な作業量がかかったことを感じる作品には、ちょっと感じる部分もあるだけに寂しい気持ちもあるけど、それじゃ廃れるんだよ。
 それよりもっと大事なものがあって、それが核となるコンセプトなんだな。

 リフもその曲のコンセプトと言ってよい。なぜなら曲の核だから。リフのために曲があり、曲のためにリフがある、という相互作用が強い曲が、名曲と呼ばれる。
 リフのない曲って飽きるしね。最悪なんでその曲作ったの?ってなっちゃう。
 勿論何もギターに限った話ではなく、パンチのあるボーカルのメロディーもリフだし、キーボードやベースにだってクールなリフがある。
 パッと思いつくのはキーボードだとVan HalenのJump、ベースだとQueenのAnother One Bites The Dustなど。
 C&C Music factoryの「えーびっばでぃっだんすなぅ!」もリフだな。あとコーラスワークのリフでMichel Polnareffの「トゥーとぅーとぅましぇりーまーしぇーりー」とか。
 まぁとにかくいっぱいだ。

 何が言いたいかというと。。。
 手数は滅びる。
 コンセプトは滅びない。

 でも、滅びの美学も嫌いじゃないぜ!
スポンサーサイト