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継ぐの日

 でも貴方がいないこの場所で、私が戦い続けることに、どれほどの価値があるのでしょう?
 何故なら貴方がこの場所で私に残した価値は、貴方が思うより遥かに重く、その重みは貴方が伝えた人に、最も僕に辛い形で残ったからです。
 きっとさほど、気にも留めない風に言葉にしたでしょう。

 …………。

 貴方がいないこの場所で、私が戦う意味が無いとは言わない。
 この街とあの箱は、貴方に対しさほど好意的ではなかったかもしれませんね。そうであれば、現状はもしかしたら無いのかもしれませんね。
 勿論、私が戦う意味は無論貴方一人のためではなく、そもそも貴方のことを意識していたわけでもない。
 けれど、貴方がもたらした重みは僕にとって遥かに大きく、それさえ抱えて、その一つ一つさえ抱えて、貴方を知らない人にもそれを伝えていくという義務を、無責任にもそれを私に課したことに、果たして貴方は自覚的だろうか?

 私が貴方に期待したのは、こうした形ではなかった。
 私は貴方とあくまで友でありたかった。
 友だと思っていたからこそ、貴方が残したものの世話になりたくなかった。
 ”貴方が残したもの”ではなく、貴方自身がここにいてほしかった。
 だって、なればこそ貴方がここにいないって、痛感するのだから。
 ずるい。卑怯だ。こんなのは、逃げた奴のすることだ。そんな人にこんな誠実な真似をされたくなかった。
 受け止めるしか無いんだから。この空白が胸に去来して、その残酷さと、己の至らなさに責め苛まれると、きっと気付かないだろう。良かれと思っただろう。
 今しばらく、貴方がここにいないことを悲しむ私を赦してください。
 貴方のせいで、貴方がここにいないことに気付いてしまったんです。
 貴方以外に貴方の代わりはいなかった、僕にとって。それが僕の、貴方に対する誠実の証でした。今更僕は気付きました。
 知らない振りをしてたと思います。その間も貴方の思いやりは、どのような形であれ微かに、でも確かにあったようです。
 そういうやり方は、出来ればもう辞めてほしいですが、もうその心配も無いのでしょう。
 僕の片思いだったとして、貴方は僕の愛した人でした。僕が信じた人が名を出した人であればこそ。

 私は貴方が思うより朗らかで、非暴力的な人間です。貴方が思うより大した人間ではありません。
 ただ一つ、好意を伝えるには、常にやや臆病な人間でありました。
 数ヶ月遅れになりましたが、有難うございました。
 愛を込めて。
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