05
2013

アンテナ

CATEGORYたわ言
 多分誰にも信じてもらえないと思うんだけど、俺って根暗じゃないんだよ。
 あ、ちょっと待って、違う、ポーズとかスタンスとか言い訳とか、あとなんだ、強がりじゃなくて、ホントに根暗じゃないの。
 自分で言うのもなんだけど、切っても刺しても死なないタイプだと思う。
 むしろ、どちらかというと、ポーズで根暗やってるところはあるね。だから、マジだって。嘘じゃないから。

 色々と俺のやりたいことや、望むところを考慮すると、黙ってたり、落ち込んでるフリした方がオトクなことが多いから、これを選んだんだよ。口下手なのはホントだけどね。
 それ、自分で言ったら意味ないやん?って思うか。大丈夫だ、俺は演技派だから。演技の真髄は自分を騙すことだぜ。多分。
 違う、根暗じゃないってのは自分を騙してるわけじゃない。そこは、誤解するな。俺は根暗じゃない。分かったな。

 そもそも、根暗、根暗じゃないってなんなん。それは、「かっちょいー!」と思うものが、たまたま世間からしたら暗い、暗くないって違いですよ。
 例えばそうだな、俺の趣味っつったら、読書、散歩、音楽(趣味でもあるし、趣味でもないよ)、映画、漫画、アニメ、ゲーム……書いてて気が滅入ってきた。根暗すぎないか。
 違う、根暗じゃない。
 これは俺が一人っ子ってのもあるんだよな。
 兄弟がいないし、小さい頃の友達は知恵遅ればっかりだったから、一人で楽しめる趣味にいそしむわけだよ。ホントあいつらつまらんかった。今でもFB見ると「あ、つまんないこと継続してるなー」と感心する。つまらん奴は、それと気付かないと余裕で死ぬまでつまらないからな。俺も気をつけなきゃ。
 ……いやこれは、FBの正しい使い方であって、俺が根暗なわけじゃないよ。な!
 あのときはスケッチブックに不思議なオリジナルロボットとか、剣持った戦士とか、そういうの書いて超エキサイティングファンタジーストーリーを作り出してたわけよ。
 いやあれ、絶対面白かったと思うんだよな。寝る前はいっつも脚本作ってオリジナルキャラクターに演技指導して、実際に動いてもらって、最後エンディングで流れるクレジットの名前は全部俺だったりしてな。あ、勿論登場人物は俺じゃないよ。俺は一切出ない。影でしっしっし、みたいなのが好きだったんだな、当時から。

 ……俺、根暗なのかなぁ。

 さすがに今はしないけど。いや、するな。たまにしてる。
 さすがにジャンルは変わった、ラブロマンスが増えた。
 冷凍睡眠のヒロインとの恋とか、世界破滅後の人間に恋したアンドロイドの話とかね、ちょっとだけファンタジー入ってるやつ。
 あと殺し屋とその恋人の逃避行とかね。

 ……俺、乙女なのかなぁ。

 ちなみに分かる人は分かる、歌詞の叩き台なんだわ。この話は。いやぁ、まさか幼い頃からの妄想がこんな形で役に立つとはね。
 いやホント、話がクライマックスに差し掛かると、ポロポロ涙出てくるんだよ。「なんて悲しい話なんだぁ~」ってなる。
 客観的に見ると気持ち悪いが……映像化してもらったら分かる、いやー感動の映画になるね。全米が死ぬよ。ぎゃっ!て言って。感動の沸点が低い人から順に蒸発していく。ぎゃっ!←低かった
 まずキャスティングから挫折するけどねー。根暗の辛いところだ。人脈がペラい。折角両親から命を貰ったんだから、いつか映画の一つも撮りたいなぁ。

 サラッと根暗を認めてしまったところで、根暗について言及したい。
 まず根暗は趣味が根暗、これは客観的評価だ。主観ではない。
 では主観で根暗とはどういうことか、これを勘違いしてる奴が、2000年代に入ってからヒジョーに増えた。
 それは「かまってちゃん」という存在が登場したからだ。かまってちゃんは根暗と近いところにいるが、全く違うので誤解のないように。
 まず、根暗という人間はね、尋常じゃなくメンドクサイんだよ。何故メンドクサイか。
 それは、アンテナの存在だ。アンテナ。パラボラとか。WOWOWとか受信する奴。
 あのー、アンテナが生えてるんだよね、根暗は。で、そのアンテナは、色んな電波を勝手に拾いまくる。ポジティブな電波、ネガティブな電波、悲しい電波、嬉しい電波、寂しい電波、切ない電波、などなど。
 それって「感受性が高い」じゃないの?と思うかもしれんが、ちょっと違う。
 ホント、なんでも拾うんだよ。アレは。おまけに、いちいちそれに感情が振り回される。こうして根暗が出来上がる。
 要するに、気分の浮き沈みが極端に激しいわけだ。
 躁鬱の気があると言ってもよい。
 思春期特有の、なんだ、ホルモンバランスが崩れるとか、壮絶な裏切られ体験とか、そういうのは、すごく似てるけどちょっと違う。
 一回生えたら取れないからね、アンテナは。

 だから、本当の根暗は意外と根暗じゃない。年中落ち込んでるわけじゃないし、社交性もあるし、ユーモアもある。見方によってはね。
 っていうか、年中根暗なのは、根暗じゃなくて鬱だから。病院行った方がいいね。
 逆に、年中根暗じゃなかったら、別に鬱じゃない。
 そして、訳もなく落ち込むこともなかったら、根暗でもない。
 そのどっちでもない存在が、かまってちゃん……。

 かまってちゃん、名前の通りかまってほしい人。それはテクノロジーが発達して、モノが溢れ、情報が飽和している時代に出現する。
 自意識が肥大して、でぶでぶに膨れ上がってるからだね。
 いきなりディスるけど、新潟の人はかまってちゃん指数がすごく高い。素質でいったら、80%がかまってちゃん。新潟に限らず、日本人はかなり高いけど。
 かまってちゃんはありとあらゆる手段でかまってほしがる。自分を傷つけるフリをしたり、落ち込んでるフリをしたり、アングラなものに興味があるフリをしたり、繊細なものを理解してるフリをしたり。
 全部フリなんだよ。フリ。ポーズ。ペラッペラ。

 まぁ簡単に言うと矢口真里だよ。

 矢口真里がかまってちゃんなわけではないが、似たようなもんだ。すぐ知ってるフリをして、私すごいでしょ、繊細でしょ、理解あるでしょ、などと喧伝したがる。
 そうかい、そうかい……。
 あのね、根暗は好きで根暗やってるんじゃないんだよ。もはやアレは一種の病気みたいなもんだ。勝手に落ち込むんだよ、どんどん力が抜けていく。ふざけんなよ、って思うよ。
 で、他人を巻き込むのもナンだから、どんどん無口になっていく。優しい人なんやで。
 あいつらの面白いところは「プチ鬱」とか言っちゃうところだね。言葉にしなくても、絶対思ってる。「あ、私鬱かも」とかね。
 いやいや、ちげーから。全然元気だから……な、便所掃除でもしてろって。とんがりコーン食うか?食え食え、喉詰まらせてあの世へ行きな。

 バカは鬱にならないんだよ。

 冷静に物事を分析してしまう人ほど、将来の不安とか、どうして上手くいかないんだろうとか、そういうストレスで無力感が強まり、最終的に鬱になる。

 俺はバカだから鬱にならないけど。

 あー、落ち込むなぁ、気が滅入るなぁ、お、心理テストの本がある。やってみよう、今の心理は…
 元気度100%。心が鉄で出来ています。殺しても死なないでしょう。
 マジかよ……。(※実話)
 この程度で落ち込んでる気分でいた俺が甘かった。俺は最強だ!
 というわけで俺は根暗ではない。アンテナは生えている。バリ3。もう駄目だ。
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