パシフィック・リム

 久々に映画館に行った。知ったきっかけはYoutubeでファンが作ったゴジラ風の宣伝映像を見たから。
 クレジットの最後にも出たが、「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」との通り、非常に特撮やCGエンターテイメントへの愛と尊敬を感じる作品だった。本多猪四郎はゴジラ撮った人ね。前者は知らん。
 特撮に詳しいわけではないので、随所に勘違いや曲解があると思うが、突っ込むか訂正かは心の中でしてね。

 概要を説明すると、現代、海の底に突然ワープゾーンが発生、そこから巨大な怪獣が出現する。人類は辛くもこれを撃退するが、第二第三の怪獣が出現。
 人類は国境の壁を越えて手を組み、巨大ロボット「イェーガー」(狩人:ドイツ語)を建造。幸先は順調で、人類は連戦連勝を重ねていたが、あるときを境に怪獣の強さがイェーガーを追い抜き始める。
 国家は高い防壁を作って人類を守ることを優先、イェーガーの開発を打ち切る。しかし頼りにしていた防壁は怪獣に一時間足らずで破壊され、今までは一匹ずつ出現していた怪獣も二匹同時に発生し……

 といった感じ。ストーリー自体は「ハリウッドだなぁ」って感じだが、迫力が段違いで俺は感動しっぱなしだった。
 まず怪獣は「KAIJU」って発音する。日本語かよ!胸が熱くなるな。
 イェーガーのギミックにも注目したい。
 まず搭乗方法が、コクピットの頭が胴体にパイルダーオン。マジンガーZか。
 おまけに一度くっついたあと、ぐるりとエクソシストのように回転してから固定される。ドリル。グレンラガンか。
 どのイェーガーも非常に重々しさ、頑健さを売りにしたような見た目をしており、まさに鉄の巨人といった外見。手がプラズマ砲に変形するギミックや、地上に着地した際、怪獣と対峙してファイティングポーズをとった際、怪獣に押されるのを凌いでる際、しょっちゅうガションガションと表面の装甲や間接、腱が動き回る。

 パイロットが二人であることも要注目だ。
 一つのロボットに二人のパイロット、という構図で真っ先に思い浮かぶのはGEAR戦士電童(ぎあふぁいたーでんどう)、ガンバスター、グレンラガン、エウレカセブン、Gガンダムのラストも一応入るか。何が元ネタかは知らないが。
 ロボットとパイロットは神経接続で挙動を反映させて動かすが、一人でイェーガー並のものを動かすと脳の負担が大きすぎるため、右脳と左脳に活動を分け、それを二人で担当する、という設定がある。
 が、そんなことはどうでもいい。
 大事なのは二人いれば必ず諍いが起きるし、反対に意見が合ったときには二倍以上の力を出すという、非常に分かりやすい少年漫画的構図だ。
 熱くなるに決まってんだろ!!よく分かっていやがる。

 戦うロケーションも多彩だ。
 まず怪獣が海から来る、という状況が非常にツボを押さえている。特撮(ウルトラマンとかゴジラ、モスラ、ガメラとか)で敵はほぼ確実に海から来る。
 日本が島国だから、という理由もあるが、海上での戦いは水しぶきが飛ぶので非常に派手に見えるのだ。そのセオリーにこの映画も則っている。っていうかそもそも、全体的に特撮的なアプローチがすごく多い。
 海中から怪獣が不意打ちで襲ってきたり、前述のイェーガーの動きでいちいち水しぶきが飛び散り、めっちゃくちゃ画面が派手。
 海上もそうだし、街中でウルトラマンばりに街を気にしないで壊しまくるバトルや、空中戦、深海など、スケールが違いすぎる。これを実写でやるんだもんなぁ。いや大体CGなんだろうけど。この映画、あんまりCGとか関係ない。なぜなら特撮だから!
 そういえば、なぜゴジラが日本でウケたかというと、容赦なく街を壊すから、っていうのが大きな理由の一つらしい。
 噛み砕くと、社会や日常への不満、単に派手なのが好き、強大な力への崇拝、という感情だ。とにかく人は本質的に物が壊れるのが好きな生き物なのだ。
 この映画も「この街あとで大丈夫なの」ってくらいぶっ壊しまくる。そもそも、冒頭の解説で怪獣が初めて登場した瞬間、橋を壊した。そりゃあね。怪獣だったら絶対橋壊すよね。さすがに戦車は出なかったが、戦闘機はもはや蚊みたいな扱いだった。特撮における戦車と戦闘機の不遇っぷりってなんなんだろうね。面白くてしょうがない。

 主人公のキャラクターもよく分かってる。
 イェーガーにも世代というものがあって、第一から第五世代まである。
 作中に登場するのは、ロシアの第一世代チェルノ・アルファという、完全にブリキの玩具みたいな見た目のイェーガーから、オーストラリアで開発された唯一の第五世代ストライカー・エウレカまで。エウレカは非常にスマートで細身な外観をしている。(胸が開いて六連ミサイルを撃つのが熱い)
 主人公が乗るのはジプシー・デンジャーというアメリカの第三世代。旧式の部類に入る。
 おまけに冒頭で怪獣に思い切り負けて、相棒の兄は死亡。失意の中、防壁を作る鳶の兄ちゃんに転職。
 怪獣の猛攻で軍に呼び戻されるが、エウレカの若いパイロットに舐められまくったりする。
 いやいいですね、節々のロートルな感じが。見た目そんな老けてるわけじゃないけど。
 軍の司令官が、主人公を呼び戻すときの台詞もいいんだよ。「どこで死にたい!? 壁の中か! それともイェーガーの中か!」みたいな奴。やべえうろ覚えだ。さながらロボットは鉄の棺桶だ。渋い、渋すぎる。

 なんか、だんだん只のロボット好きの独り言になってきた。
 そうです、只のロボット好きです。
 ロボット大好きですよ。今のガンダムみたいな細いのじゃなくて、ボトムズみたいなデザインの。
 ボトムズと言えば、このサイトがアツい。お勧め。→Monkeyfarmなんでも作るよ
 ロボコップとかも好きだ。とにかくごっついロボットが好きなんだ俺は!!
 でもアーマードコア4のレイレナードみたいなのも大好きです。

 映画自体の魅力を最後に語っておく。
 まず画面が派手。豪華と言っておこうか。ただ派手なんじゃなくて、当然細部や画面のレイアウトにもこだわっているし、カメラワークは非常に臨場感を大切にしている。
 また、足元の視点が多く、遠近感や大小をアピって大迫力を生み出している。車が防犯ブザーを鳴らしてたり、信号機を蹴っ飛ばしてたり、怪獣に避けられてビルにぶち込んだパンチが、室内のこれを揺らしたり。そういうアングルが怪獣とイェーガーの巨大さや重量を際立たせている。
 とにかく怪獣が強い!
 鋭い爪がイェーガーの腕や背中を引っかくだけで、バリバリ装甲がはがれたり腕が千切れたり、「おいおいやばいんじゃないの」と焦らされる。冒頭のデンジャーの敗北はこの効果も狙っていたのだろうか。
 怪獣もやはり分かってるのか、それとも本能なのか、結構コクピットである頭を狙ってくるのもドキドキする。当たると余裕で貫通してくるし。
 「うわぁ噛ませだなぁ」と思った中国のイェーガー、クリムゾン・タイフーン(パイロットが三つ子で、腕も三本ある)とロシアのチェルノ・アルファが、やられたい放題で容赦なくぶっ殺されるし。
 頼みの綱だった最新鋭機のストライカー・エウレカも、最新鋭過ぎて怪獣の電磁波で一発ダウンするし。
 まぁ、そこでアナログなデンジャーなら立ち向かえる、ってシチュエーションがまた興奮するんですけどね!!ブヒブヒ!!!!

 あと吹き替えで見たんだけど、これは日本人は吹き替えで見たほうがいい。
 アムロとかシャアとか綾波とか、ロボットが絡んでるとなりゃニヤリとする人選。あと勝手にロケットパンチとか言ってるし。(実際はエルボー・ロケットという技らしい)

 こんなところか。なんか、興奮しすぎて感動がまったく文章にできてないな。ま、いいや。
 放映がもうすぐ終わるってんで慌てて見に行ったが、慌てて本当に良かった。スクリーンで見なきゃ真価が分からないタイプの映画だ。エンターテイメントだからね。
 とにかくマニア愛とエンターテイメント性が高いレベルで融合した面白い映画。

 レイトショーだったので、馬鹿でかい客席で客が俺とオッサンの二人だけだった。おまけに席が前後。アホかと……笑
 後ろで助かった。他の席全部空いてるのに、よりによって後ろに人がいたら嫌だもん。
 帰るときはオッサンも俺もホクホク顔だった。ハッハッハ。同士よ。ロボットはいいよな。
 あと菊池凛子はどう見てもブス。どう足掻いてもブス。
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